読書感想文的書評 -10ページ目

読書感想文的書評

書評などと言えるものではございませぬ。

ジェノサイド/高野 和明
¥1,890
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最近絵本ばかり読まされてて自分の読書が進まない上に、折角読んでもパソコンを開けば獣のように興奮していじろうとする我が娘。


久々の休みで娘も昼寝している間に、この半年で読んだ本を書いときたいわけです。




高野和明は『13階段』、『幽霊人命救助隊』となかなかの名作ぞろいなので期待マックスで本書を取った。


わりとボリュームもあるし、前半は生物学とか薬学的なとこがさっぱり頭に入って来ないもんでなかなか進まなかったんだけど、後半のペースアップはかなりのもん。


序盤からのスケールのデカさをよく最終的に収拾つけたもんだ。




なんだかハリウッド映画にでもなりそうなスケール。


それでいて人間の根っこにある残虐さとか怖さまで考えさせる。



まぁそういうむつかしいことは抜きにして、エンターテイメントとしてかなり楽しめました。




マンチュリアン・リポート (100周年書き下ろし)/浅田 次郎
¥1,575
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あのシリーズの続編で、浅田次郎の書き下ろしって聞けばそりゃ売れるでしょう。


まんまと買ってしまいましたよ。



でもねー 『蒼穹の昴』から『珍妃の井戸』、『中原の虹』とこのシリーズに魅了されていた読者はこれでは満足できないでしょう。



単行本なんて滅多に買わないのにやられましたわ。


期待してたのにー



あんまり内容言うと余計につまんなくなっちゃうからから言わないけどさ。


でも言いてー



帯には「昭和史の闇に迫るミステリー」なんて書いてあるけど、ミステリじゃないからね。



期待しすぎないようにご注意を。












永遠の0 (講談社文庫)/百田 尚樹
¥920
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読書仲間のぱんだ 氏からの紹介。


やるじゃないか国産ぱんだ。



最近いい加減な感想文ばかり書いていたんだけど、こりゃ久々にちと真剣に書かなきゃなと思った。



3年前に死んだうちのじいちゃんも海軍の兵隊だった。


死ぬ前、病院にお見舞いに行ったときに初めてまともに戦争の話を聞いた。


それまではフィリピンに行って腹を撃たれて帰ってきたとしか聞いてなかったし、僕もそんなに興味がなかったから、戦争の話を聞いてみようとも思わなかった。(なんとなくあんまり聞いちゃいけないような感じもあった。)



それが急に話してくれた。


おれが長生きできたのは今まで2回死んだからだって。


1回目はフィリピンで撃たれた時。


2回目は戦後に結核になった時。




じいちゃんは大正生まれだったから19歳か20歳くらいのときだったのだと思う。


呉の軍港から船でフィリピンのルソン島へ向かったそうだ。


何隻かの艦隊で行ったんだけど、じいちゃんは目がよかったから甲板で見張り番をしていた。


海面にこちらに向かってくる魚雷の白い線が見えた。


必死に大声をあげて知らせ、じいちゃんの乗っている船はなんとかかわしたけど、周りの何隻かは沈んでしまった。


親父に話したら、この話は親父も聞いたことないって。



ルソン島でも基地の見張りをしていた。


機銃でアメリカの戦闘機を2機落としたことがあるっていうのは前に聞いていた。



でも逆にじいちゃんも戦闘機に撃たれた。


脇腹と背中に貫通した傷跡があって、「もうちょっと内側だったら死んでた」って子供の頃一緒に風呂に入ったときに言ってた。



撃たれたとき、気を失いそうになった。


でも、ここで気を失ったら絶対に死ぬと思って、「助けてくれ」って必死に叫んだ。


医療設備が全然なかったから、海に連れてかれて海水で傷口を洗ったって。


そしてしばらくして終戦を迎えた。



怪我してたから、1番最初の船で帰らせてもらった。


じいちゃんは爆風で片方の鼓膜がやぶれ、腹にも穴をあけて帰ってきた。



そんでばあちゃんと結婚して親父が生まれた。



じいちゃんは寡黙だったからこんなにいろいろ話してくれたのは初めてだった。


そんでそれから2週間後くらいに死んだ。



死んだあと、ばあちゃんからいろんなことを聞いた。


じいちゃんは戦友会とかとの関わりを避けてたって。


恩給も拒否したって。


ただ黙々と仕事をしたって。


ブームが終わりかけたころにボーリング場を経営して失敗し、すっからかんになったこともあったって。

(これは全く知らなかったからホントにびっくりした。)



すげーなじいちゃん。


もっといろいろ聞きたかったよ。




なんか長くなったな。



でもこの本読んで自分のルーツを知りたいと思った人は多いんじゃないかな。


いろんなことを考えさせられました。


たくさんの人に読んでもらいたい本です。






中原の虹 (1) (講談社文庫)/浅田 次郎
¥660
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10月22日が予定日だったのにもかかわらず、なかなか生まれてこない我が子。


やきもきしながらコイツを読み始めたら、あっという間に4巻制覇。



それまでは我が子の名前は『壬生義士伝』から“貫一郎”と決めていた。


しかし新たなる俺のヒーローに出会ってしまった。



白虎張!!


かっこよすぎる!!



張作霖ってのはさすがに日本人じゃ名付けられないから、せめて“虎”の一字だけでも。。。。



おお、今年は寅年。



こりゃもう虎太郎だな、と思っていた。




そして10月30日。



お義母さんから電話が入る。


「いま分娩室に入ったよ!」


急いで病院に向かおうとしたところ、その10分後また電話が入る。


「生まれたよ!」



はやっ!!



車を飛ばし、やっとこさ病院について我が子の顔をのぞく。



あれ?


なんか女の子っぽくないか?



まさかの女子でした。


それも世界一かわいい女子。



名前考えてねー


虎太郎も貫一郎もダメじゃん。




というわけで1週間考えて『壬生義士伝』の登場人物から“ちあき”と名付けました。


(作中では男の名前だけど)




いやーそれにしてもかわいいちーちゃん。



『中原の虹』すごいおもしろかったけど、もうぶっ飛んでしまいました。


すんません。




東京島 (新潮文庫)/桐野 夏生
¥580
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ラスト50ページくらいで投げ出してしまってたのをやっとこさ読み終えた。




無人島に漂着していた夫婦。


そこへ若い男ばかり10数人が漂着。


またさらに数人の中国人の男たちが漂着。


20数人の男たちと、たった1人の女。



最初は秩序を保っていた島が1人の女のためにどんどんバランスが崩れていくのですな。


そこに温室育ちの日本人とは違う、生命力の強い中国人が登場することで、どんどんぐちゃぐちゃになっていくのです。


なにもない無人島で生に執着する人間の感情がリアルに描かれている。


人間のリアルすぎる感情ってやっぱりグロテスク。


そこがやっぱり桐野作品らしいところなんだけど。




今までおでが読んだ桐野夏生の小説は主人公がすべて女。



そんでもってどの女子もおっかない。



この女、清子もまたすごいんですよ。


40代、身も心も醜い。


そしてなによりも生と性に貪欲なのです。



ところが


映画サイトを見てみたら、


清子役がなんと木村多江!


超タイプ!


ドストライク!


(原作の清子からすれば超ボールなんだけど。)



こりゃ反則でしょ・・・

清子が醜女と思って読むのと、木村多江だと思って読むのじゃコッチのモチベーションが全然違うわ!



くぅー


読む前に映画サイトチェックしとけばよかった。



原作ではみんな生きることに必死だから、みっともないとかカッコ悪いとかカンケーないんだけど、キモい登場人物たちがみーんな若手のさわやか役者。


最強のキモキャラのワタナベが窪塚洋介だし。


一体映画はどんな感じになっているのかしらん。



まぁそんなことは実際もうどーでもいいや。


とにかく木村多江の清子は見なくちゃいかんわ。