Hi everyone!
お元気ですか?
この1年はずいぶんノリちゃんにお世話になったので、サンクスギビングに来てくれることになった時、ルクソールホテル内で開催中のタイタニック号の展示にご招待しようと思いつきました。
そこで長男に割引チケットを頼んでいたら、サンクスギビングの日に、
「これは僕から」
と思いがけないプレゼント。
それでノリちゃんと昨日行ってきました。
新聞の一面にも登場。
「I’m the king of the world!」
と叫ぶデッキの先端でも撮影してくれます。ノリちゃんと2人でレオ様とケイトの真似して、わざわざレールの上に乗って両手を広げてポーズを取ったのだけど、これはヘンな仕上がりだったので却下。
入場時に実際の乗船客の名前入り搭乗券をくれるのですが、コレがね、私のようなニンゲンのどこを突いたらくすぐったいかよく知っているというか…。
展示の最後に乗組員と乗客全員の名前が生存者と死亡者に分けて記載してあるので、そこで自分の運命を確認する、という仕掛けで。
私は、Mrs. James Warburn Martinez Cardeza (Charlotte Wardle Drake)という恐ろしく長い名前の女性。
でね。すっかり罠にハマった私はググってみました。
そしたら写真までめっけ。
カッコ内が旧姓で、それ以外は要するに夫の名前です。これって昔風の呼び方。結婚して苗字がカーデサに変わったのは普通としても、ミスからミセスになった時に、じゃあミセス・シャーロット・カーデサになるかというとそうではないところが昔の女性の社会的立場だったんですね。
あくまでミセス・ジェイムズ・カーデサ。当時の女性の社会的立場は、夫がいて初めて存在したのでしょう。でも興味深いのは、彼女はタイタニック号に乗船する12年前に離婚していたこと。
それでも乗船時の名前はミセス・ジェイムズ・カーデサだったんですね。
フクザツな心境…。
それはともかく。
彼女はスーパーリッチだったようで、ベッドルーム2室にシッティングルーム、専用の遊歩デッキまであるファーストクラスの中でも最も高額なスイートルームに宿泊していたとか。
持ち込んだ荷物が、
トランク14個
スーツケース4個
大きな木箱3個
まるで映画のローズのよう。
彼女は成人した息子とそれぞれの使用人2人の計4人で搭乗していました。
映画でもあったように、救命ボートにはファーストクラスの女性と子供から乗り込んだので、当然のように彼女は生存者のひとりでした。
1等船客の女性客でも、夫を置いて行くのを拒んで犠牲になった人もいたのですが、彼女の場合は最も高額なスイートの乗船客だったからか、彼女だけでなく当時36歳だった息子と使用人(男性と女性の2人)の全員が生存。
3等から1等までの客室も再現していて、3等デッキでは絶え間なく響くエンジン音も聞くことができます。振動もかなり感じたそうですが、それでも従来の3等室よりもずいぶんアップグレードされていたとか。
というのもそれまでは、3等の乗船者は2段ベッドでいっぱいの狭い客室で食事しなければいけなかったのが、タイタニック号には3等用のダイニングルームがあったのです。
映画は船内から星空まで忠実に再現したので、
「天井のこのパイプが、ジャックを助けに行く途中で浸水した時に、ローズが両手で伝っていったヤツね」
という風に、映画ファンの私は映画とも連動して楽しめました。
本物の氷で作った氷河まであって、これは触れるようになっています。ただし本物の氷河は塩分を含んだ海水からできたものなので、もっと温度が低いとのこと。
海底から引き揚げた数々の遺品や、タイタニック号の巨大な船体の一部まで展示されていて、とてもよくできた展示でした。
知らなかったこともいっぱい。
スミス船長は実は前年に引退する予定だったとか。名船長で、スミス船長の船にしか乗らないという人も多かったらしい。それで請われてタイタニック号の処女航海の指揮を取ることになり、そこで有終の美を飾るつもりだったとのこと。
また当時は見張り台で双眼鏡を使うことも義務付けられておらず、目視が基本だったらしい。氷河の発見は、月明りによる反射を頼りにしていたというからオドロキ。
この夜は月が出ていなかったんですね。
出口の手前で、壁一面に乗組員から3等、2等、1等とクラス別に生存者と死亡者の名前がすべて列記していたのも圧巻でした。
3等船客の死亡者が群を抜いて圧倒されるほど多いからです。
長男はオーディオ付きツアーを買ってくれていたのですが、入場してすぐ「タイタニック号には世界中から乗船しており…」の下りで、日本人が乗っていたことを知った私たち。
帰ってきてからノリちゃんがググりました。
細野正文という鉄道官僚で、なんとY.M.Oで坂本龍一とバンドを組んでいたミュージシャン細野晴臣の祖父だったそうです。
2等船客の男性乗客で生還したことから、一時は非難を浴びたこともあったとか。
たまたま一旦は乗客を乗せてスルスルと降りだした救命ボートが、滑車に故障があったかで途中で止まった時に「あと3人はゆっくり乗れるじゃないか」という船員の話が聞こえたそうです。
その瞬間に横にいた乗組員が飛び乗った。ちょうど空いたスペースを見つけたので、ここなら飛び降りても誰にも危害を加えないと思い、自分もいきなり飛び降りたとのこと。
それにしても特攻隊じゃあるまいし、生存して非難を浴びるというのも不条理で、その後他人を押しのけて生き延びたわけではないと弁明しなければならなかった、なんて気の毒な話です。
通常1時間半から2時間くらいの展示だそうですが、私たちは展示を見つつ、オーディオを聞きつつでじっくりと回ったら、ゆうに2時間半はかかりました。
おかげですっかりタイタニック熱に襲われて、帰ってきてからYouTubeでタイタニックのドキュメンタリーを観た私たち。
本当は映画が観たかったのだけれど、夜も遅かったので諦めたのでした。
タイタニック好きには超オススメです。
では、お元気で。
Have a nice day!
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