*コーチングは「やる気はあるけれど、どうしたらいいかわからない」「自分の方向性で迷っている」「課題・問題があり、なんとかしたい」という人、自分なりの挑戦と試行錯誤を歓迎している人が対象です。

 

「教えるのがうまい先生はたくさんいるんですよ。

でも・・・私を上達させてくれる先生見つけるのが難しいんですよ!!」

 

講師室で耳に入って来た言葉。

生徒さんがこう言っていたと。

 

中級以上の学習者のお悩みはそこなんですよね。

 

こんなとき、

コーチングの出番です。

 

レベルが上がるほどティーチングより、コーチング的な関わりが有効です。

 

初級の間はもちろんティーチングが必要です。

ティーチングとは教師が学習者に知識を教えたり、練習させたりすること。

学習者が知らないことを教える、

学習者ができないことを練習させる。

特に普通形が使えるようになるころまでトレーニングも必要です。

 

 

一方、

コーチングには・・・「答えは相手自身が持っている」

という考えがあります。

 

目標・学習の方法などは学習者がもともと持っているものを活かす考えです。

(何もアイディアがない場合は教えたり、選択肢を示します。)

 

コーチ(教師)がすることは、

目の前の学習者の話を聴くこと。

「こうなりたい」に寄り添うこと。

学習の習慣化を対話でサポートすること。

 

自分で決めた目標と方法は行動に移しやすいのです。

 

学習の流れとは、

学習者が目標を設定して課題にトライする

      ↓

学習者が実行し、試行錯誤する

      ↓

学習者が納得感を得る

      ↓

学習が習慣化する

      

あなたにもこんな経験はないでしょうか。

親や先生に言われたわけでもないのに自ら続けていたこと。

 

自分で工夫するのが楽しい!と感じたこと。

あのとき夢中でがんばったなーと思うこと。

時間を忘れて没頭していたこと。

 

そんな経験はないでしょうか。

 

なぜそんなに夢中になれたのでしょうか。

あなたの中に「答え」があるはずです。

人にはだれにでも「自分が意欲的に取り組むしくみ」があります。

その”しくみ”が人によってちがうのです。

 

目の前の学習者が学習を習慣化できるまで何をすればいいのでしょうか。

 

私たちは横で伴走すればいいのです。

学習者の試行錯誤の話を聴き、相手の存在を認め、気づきを促す質問をします。

 

私は以前こんな悩みを持っていました。

「いったいどうしてあげたらいいのだろう?」

「学習者をどう導いたらいいのだろう?」

 

しかし、コーチングを学んで気づいたことがあります。

「自分が学習者を“導ける“って思うことを辞めよう」

 

自分が正解を持っている?

 

この考えは学習者の選択肢を狭めます。

 

正直、難しいです。

「私を上達させてくれる先生がいないよ」という学習者は「先生が答えを持っている」と思っているから。

それに教師に全て任せたいという受け身の学習者もいます。

 

学習者に自分で考えたり、工夫してもらうには下地がいるのです。

下地とは、教師と学習者の間に安心感・信頼感があることです。

「この先生は話を聞いてくれそうだ」という安心感。

「この先生には何でも相談できそうだな」という信頼感。

 

まずコーチングの初めの一歩は対話できる関係になることです。

 

教師は学習者が思ったことを気軽に話せる存在になること

 

急に勉強のことを聞かずにこう問いかけます。

「今までけっこう続いている趣味は?」

「何をしているとき楽しい?」

趣味や好きなことをの話をじっくり聞いてみてください。

相手に対する素朴な関心を寄せること。

 

学習者に「話しやすい先生だなー」と思ってもらうことがコーチング的な学習サポートの第一歩です。

 

 

 

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