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私が以前ソシオエステを提供した末期の乳がんのクライアントさんのお話です。
その方は、リンパ節切除の為、腕が2倍くらいに腫れて、岩のようにガチガチになってありました。
その上、骨転移があり、骨が溶けてしまって、上腕部は、触れない状態でした。
訪問看護師さんからのご紹介で、最初は、「腕が腫れて痛いので、何とかして欲しい」ということでした。
とりあえず、前腕部のケアを始めましたが、重い手をいつも三角巾で吊ってあるので、「本当は、肩が痛くて仕方ないの」と本人。
それで、次からは、肩をアロマオイルでマッサージすることにしました。
すると、数回目の訪問の時に、今度は、こんな事をお話されました。
「いつも、主人に迷惑ばかりかけて、申し訳ない。今まで、家の事は、全て私がやっていたから、本当に大変だと思うの。せめて、指先だけでも動かせたら、私にも、何か出来る事があるのに」
クライアントさんのニーズは、その都度変わります。また、コミュニケーションの会話の中で、お互い気づかなかった「こんな事が出来たら。こういう風にしたら。」ということがたくさん出てきます。
もちろん、この方の要望通り、指先のケアをして指がほんの少し動くようになり、「洗濯ものがたためたのよー」と喜んでいただきました。
というように、ソシオエステティシャンの仕事は、ただ、エステをするだけではありません。
クライアントさんの「その人らしさ」を引き出し、「最期まで生ききる」お手伝いをすることなのです。