この本を中学校の図書館に入れたときから、表紙の少女の瞳が忘れられず、いつか読もういつか読もうと思っていた一冊。
でも、ロシアの歴史についてそもそもあまり知らず…。
この本を読む前にこちらの本を読み始めました。
『一冊でわかるロシア史』という題名からもわかるように、ロシアの歴史を大きな出来事だけ押さえていく。
読んでいくと、もう一冊まるまる血みどろの?争いの歴史なわけです。
〇〇が△△を統治した。その死後には跡目争いが勃発し…
親族間でものすごい争いしてるし!!
○○国が△△地方を攻めてきたため、□□の助けを借りて追い払った…
ロシアって四方八方から攻められて大変やったんや!!
○○地域で自由に貿易したかったため△△に攻め入った…
武力があればなんでもありやなー、なんてこった!!
もう、戦争、戦争、戦争の歴史。
現在の報道では「ロシアの脅威に怯える北欧」といったイメージがあるけれど、昔は北欧からロシアが攻め込まれてたのか、とか。
それぞれの利権を守るために、今はここ、次はあそこと、各国と手を結んていった先進国の狡猾さ、とか。
この戦争のない現代の日本に生まれついた私って、すごく貴重な存在なんじゃなかろうか。
やっぱり人間は進化していて、今の平和を維持しようという世論は進化の賜物なんじゃなかろうか。
思わずそんなことを考えてしまいました。
それからの、『同志少女よ、敵を撃て』。
第二次世界大戦時のソ連という国の中で、女性が兵士として生きるとはどういうことか、戦争の中で人はどのような思考を巡らせるのか。
そのリアルを、フィクションという小説の中だからこそ追体験できたのだと思います。
ところどころに挟まれるドイツ兵の手記が、本当に生々しく、女性兵士の存在を印象付けます。
戦争の話は、読んでいて気持ちが落ち込むシーンもあり、決意をもって読まないとなかなか進みませんでした。
でもやっぱり、そうして読んだからこそ、戦争反対の意志はさらに強くなります。
まだこの時代は、武器も人の手で動かしていたし、戦場では生身の人間同士で相まみえていた。
でも、現代の戦争は全然違う。
ドローンを操縦し相手を目にすることもなく攻撃できてしまう。
すごい速さで自動的に繰り出される恐ろしい量のミサイル。
テレビで見る戦場のシーンが、とてつもなく残虐なことなのだと、この本を読んでさらに感じました。
以前読んだこちらの漫画も、今ならもっと想像しながら読めると思います。
逢坂さんのお姉さんが訳された本も、読んでみたい。
きっとなかなか読み進められないだろうけど、平和な時代に生きる貴重な存在である私には、必要なことかなと思います。
戦争を知らない世代の私たちや、それより若い世代の方は特に。