――――――――――――――――――――――― ■60歳になっても社会保険料は減らない ☆2024年5月9日発行 ――――――――――――――――――――――― こんにちは!「ゆめたか大家」と申します。 社会保険料との関係で ・iDeCoは2000万円問題の救世主? ・年金は何歳から受け取るのが良い? などの 現在の日本における年金制度の核心に迫りました。 「ねんきん定期便の衝撃!」 https://scene-ex.jp/L2485/b0/2t7271 ゆめたか大家のKindle作品一覧はこちらです。 https://scene-ex.jp/L2485/b0/3t7271 ゆめたか大家の今までの道のりはこちらです。 https://scene-ex.jp/L2485/b0/4t7271 ――――――――――――――――――――――― ■本文 ――――――――――――――――――――――― 私は先日、ある人と話をしました。 還暦さん 「俺はもう60歳になったんだ。 還暦だけど、実感がわかないんだな。」 私 「還暦でいらしたのですか。 そうは見えなかったです。」 還暦さん 「ところで1つ、誤算があったんだ。」 私 「どういう事ですか?」 還暦さん 「年金制度は2階建て構造なんだよね。」 私 「そうみたいですね。」 【日本年金機構HPより】 日本の公的年金制度は 20歳以上60歳未満のすべての方が加入する 国民年金(基礎年金)と 会社員・公務員の方が加入する 厚生年金保険の 2階建て構造です。 会社員・公務員の方は 2つの年金制度に加入します。 https://scene-ex.jp/L2485/b0/5t7271 https://scene-ex.jp/L2485/b0/6t7271 還暦さん 「そして1階部分は国民年金で 国民年金は60歳までとなっている。」 私 「そうなのですね。」 【日本年金機構HPより】 60歳になれば、国民年金に加入する資格を失います。 https://scene-ex.jp/L2485/b0/7t7271 還暦さん 「俺は59歳から60歳になったけど 同じ会社で同じ給料で働いているんだ。」 私 「それは良かったですね!」 還暦さん 「ところで60歳になったら 1階部分の国民年金は払う必要がなくなって 2階部分だけを払うんだと思ってたんだが 59歳の時と同じ額が引かれているんだ。」 私 「えっ?そうなのですか?」 還暦さん 「会社のミスかもしれんが ケチを付けてクビになるといかんから言えない。」 私 「そうなのですか・・・。」 その時はこれで会話が終わってしまったのですが その後、調べ物をしてみました。 そうしたら以下の記述を見つけました。 Q 会社員の場合、厚生年金と国民年金の 両方を払うということですか? A 厚生年金には国民年金分も含まれているため 実質両方支払っている扱いです。 https://scene-ex.jp/L2485/b0/8t7271 そして厚生年金の保険料については 以下のように記述されていました。 【日本年金機構のHPより】 厚生年金保険の保険料は 毎月の給与(標準報酬月額)と賞与(標準賞与額)に 保険料率18.3%をかけて計算されます。 https://scene-ex.jp/L2485/b0/9t7271 これは書き直すと以下のようになります。 ・月給に対する保険料=標準報酬月額×18.3% ・賞与に対する保険料=標準賞与額×18.3% https://scene-ex.jp/L2485/b0/10t7272 つまり給与労働者は 月給および賞与の金額だけで 厚生年金の保険料が決まり この中に国民年金の分も入っている。 という事なのです。 こうなると 自営業者であれば 60歳になれば国民年金の支払いは終了ですが サラリーマンの場合は 59歳でも60歳でも 給料が同じなら厚生年金の保険料も同じで 1階部分である国民年金の分が減るという事は ないのでした。 だから還暦さんの会社は 正しく計算をしていると思いました。 しかしそうすると 自営業の人は60歳になると 1階部分の国民年金も2階部分の厚生年金もゼロ。 サラリーマンは60歳以降も 1階部分の国民年金も2階部分の厚生年金も払う。 という事になってしまいます。 社会保険料は年金と健康保険で合計で約30%で このうち年金が18%、健康保険が12%ですが 自営業の人は60歳で年金の18%がゼロになるのに サラリーマンは60歳以降も18%のままなのです。 だからこの制度には サラリーマンに対する 搾取的な違和感を感じたのでした。 またサラリーマンの社会保険料が高いために 以下のような事が起こるのだと思います。 「定年後は「再雇用」の予定でしたが 「業務委託にしてほしい」と言われました。」 https://scene-ex.jp/L2485/b0/11t7272 業務委託にして 自営業の個人事業主という扱いにすれば 60歳以降は年金分の18%がゼロになるので この半分を負担する会社としても助かるからです。 今回の内容をまとめます。 ・サラリーマンは60歳になっても 給料が同じなら 社会保険料は減らない。 ・社会保険料が高いために 「業務委託にしてほしい」と言われて 個人事業主にさせられる事がある。 今回は 「60歳になっても社会保険料は減らない。」 と題して 還暦さんのお話を中心にお届けしました。 蛇足ながら経済学用語で 「雇用者所得」というものがあり 大雑把に書くと 「雇用者所得=給料+社会保険料会社負担分」 です。 https://scene-ex.jp/L2485/b0/12t7272 例えば年収500万円の人は 社会保険料が500万円×30%=150万円で この半分の75万円を会社が負担しますので 雇用者所得は 500万+75万=575万円 となります。 つまり年収500万円の雇用者は 本当は575万円を稼いでおり これがGDPなどの統計に用いられている という事です。 だから本当は 会社が社会保険料の半分を払っているのではなく 雇用者は自分の稼ぎから 社会保険料の会社分も払っていて これが雇用者の本当の稼ぎとして GDPなどの統計に用いられているのです。 今回の内容が参考になりましたら 以下を応援いただければ幸いです。 https://scene-ex.jp/L2485/b0/13t7272