――――――――――――――――――――――― ■フローとストックの利回りの計算の違い ☆2024年9月30日発行 ――――――――――――――――――――――― こんにちは!「ゆめたか大家」と申します。 リフォーム・大規模修繕の投資効率について 「インカム」と「キャピタル」を考慮し 減価償却と税金も考慮して 「利回り」を計算できるソフトを作成しました。 「リフォーム・大規模修繕の利回りの計算」 (エクセルソフト付き) https://scene-ex.jp/L2485/b0/2t7741 ゆめたか大家のKindle作品一覧はこちらです。 https://scene-ex.jp/L2485/b0/3t7741 ゆめたか大家の今までの道のりはこちらです。 https://scene-ex.jp/L2485/b0/4t7741 ――――――――――――――――――――――― ■本文 ――――――――――――――――――――――― 今回は 「フローとストックの利回りの計算の違い」 と題して 基本的ながら間違えている人の多い計算について 説明をさせていただきます。 【計算式の違い】 まずフロー所得ですが リンゴを60円で買って100円で売るのが典型です。 フローというのは「流れる」という意味ですが 自分で手にしたリンゴをお客さんに「流す」ので フロー所得という名前が付けらており この利益は「キャピタルゲイン」と呼ばれています。 そしてこの場合の利回りの計算は (100円-60円)÷60円 =40円÷60円=66.7% となります。 次にストック所得ですが これは土地を買って駐車場経営をするのが典型です。 この場合、土地を買った人は その土地を「ストック」したままにするので ストック所得という名前が付けられており この利益は「インカムゲイン」と呼ばれています。 100万円で土地を買って 毎月1万円(毎年12万円)で貸した場合は 12万円÷100万円=12% という利回り計算(1年間)になります。 つまりフロー所得は仕入れた物を手放すので ・(売り値-仕入れ値)÷仕入れ値 で計算を行い ストック所得は仕入れた物を持ったままにするので ・貸し値÷仕入れ値 で計算を行うという 計算式の違いがあるのです。 さらに以下 ・フロー所得、キャピタルゲイン ・ストック所得、インカムゲイン の時間軸の違いについて、説明をして行きます。 【時間軸の違い】 フロー所得、キャピタルゲインの所で計算した リンゴを60円で買って100円で売る例では 利回り66.7%ですが これはリンゴを100個売っても66.7%です。 毎日リンゴを100個売って 年間300日営業しても66.7%で これを10年間続けても66.7%です。 これに対して ストック所得、インカムゲインの所で計算した 100万円で土地を買って 毎月1万円(毎年12万円)で貸す例では 1年間の利回りは 12万円÷100万円=12%であり これは先ほどの66.7%より低いです。 しかしこの場合は駐車料金が毎年入ってきますので 10年間では 12万円×10年=120万円になり 10年間の利回りは 120万円÷100万円=120%となって これは先ほどの66.7%を上回ります。 つまり「利回り」という観点からは フロー所得、キャピタルゲインは 時間を味方に付ける事ができませんが ストック所得、インカムゲインは 時間を味方に付けることができるので フロー所得、キャピタルゲインを 将来的には上回るのです。 ここまでが説明になりますが 次に具体的な応用例を考えてみます。 【火災保険・地震保険】 火災保険・地震保険に毎年100万円払って 毎年150万円の保険金を受け取った場合 これはフロー所得、キャピタルゲインであり (150万円-100万円)÷100万円=50% という利回り計算になります。 これはフロー所得、キャピタルゲインですので 10年間続けても利回りは50%のままです。 だから10年間のトータルで考えると 100万円で土地を買って毎月1万円で貸す場合の 利回り120%に負けてしまうのです。 【リフォーム費用】 リフォーム費用に100万円かけて 家賃が1万円アップできたら 家賃が毎年12万円増えるので 一見するとストック所得に見えて 12万円÷100万円=12%(1年間) という利回り計算をしてしまいがちです。 しかしリフォーム費用で得られる所得は フロー所得なのです。 なぜならどんなリフォームも 15~30年後にはやり直す必要があるからです。 最初に100万円かけて 設備や内装をリフォームしても 15~30年後に また100万円かけてやり直す必要がありますので これは15~30年ごとに新しく商品を仕入れる フロー所得なのです。 リフォームを20年後にやり直すと考えると 20年間で家賃は12万円×20年=240万円 増えているので インカムゲインの時の計算式を用いて 240万円÷100万円=240% が利回りであると計算してしまいがちですが 最初にリフォーム費用100万円をかけても 20年後にまたやり直しが必要になりますので キャピタルゲインの時の計算式を用いて (240万円-100万円)÷100万円=140% とするのが正しい利回り計算なのです。 ちなみにこれは20年間での利回りですので 1年間で利回りを計算すると 140%÷20年=7%/年 になってしまいます。 そして100万円で土地を買って 駐車場として1万円で貸す場合は ストック所得、インカムゲインになりますので 同じ20年間で計算するなら 駐車料金は 1万円×12か月×20年=240万円ですので 240万円÷100万円=240%であり 1年間で利回りを計算すると 240%÷20年=12%/年 という計算になりますので 100万円かけてリフォームした場合の 7%/年と比べて、かなり高いのです。 このあたりの計算の説明は 「リフォーム・大規模修繕の利回りの計算」 (エクセルソフト付き) https://scene-ex.jp/L2485/b0/5t7741 にも書きましたので 併せてお読みいただければと思います。 今回は 「フローとストックの利回りの計算の違い」 と題して 基本的ながら間違えている人の多い計算について 説明をさせていただきました。 リフォーム費用に100万円をかけて 家賃1万円アップが本当に20年続くのか疑問なら この100万円をアメリカの高配当株に投資した方が 成績が良いかもしれません。 また駐車場経営のようなストック所得の場合は 土地が高く売れれば キャピタルゲインを得ることもできますので その場合は ・ストック所得はインカムゲイン+キャピタルゲイン ・フロー所得はキャピタルゲインのみ となる事を付け加えておきます。 今回の内容が参考になりましたら 以下を応援いただければ幸いです。 https://scene-ex.jp/L2485/b0/6t7741