不動産の財務三表CF、PL、BSのまとめ | 【ゆめたか大家】ゆめたか大家の本文ブログ

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住宅ローンで10連敗した我が家ですが、融資を受けて築古木造物件買い進めて、10年で富裕層と呼ばれるまでになりました。私の「今までの道のり」と「10周年記念出版」は以下です。(訪問者プレゼントもあります)http://bit.ly/yumetaka-history

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■不動産の財務三表CF、PL、BSのまとめ

☆2020年12月28日発行
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こんにちは!「ゆめたか大家」と申します。


近年は

その地域に住んでいない「エイリアン大家」

その地域から離れている「エイリアン銀行」

が増えましたが

この背景および影響をまとめました。


「エイリアン大家とエイリアン銀行が

 生態系を破壊」

http://scene-ex.jp/L2485/b0/1t1941


ゆめたか大家の今までの道のりはこちらです。

http://scene-ex.jp/L2485/b0/2t1941


過去の記事はこちらよりご覧いただけます。

http://scene-ex.jp/L2485/b0/3t1941


「財務三表解説編」のバックナンバーはこちらです。

http://scene-ex.jp/L2485/b0/4t1941

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■本文
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今まで何回かに渡って

不動産の財務三表である


・CF(キャッシュフロー)

・PL(プロフィットロス)

・BS(バランスシート)


について、説明を書いてきました。

http://scene-ex.jp/L2485/b0/5t1941


そして今回は

「不動産の財務三表CF、PL、BSのまとめ」

と題して

今までの内容のまとめを行いたいと思います。


【授業】


先生

「今回は

 不動産の財務三表である

 CF、PL、BSについて

 今までのまとめを行います。」

生徒

「ハイ、総復習がんばります。」


「土地は事業用でも減価償却できない」

http://scene-ex.jp/L2485/b0/6t1941


例として

駐車場の事業をするために

300万円で土地を買って

この300万円を

無利子で、融資期間5年で借りて

毎年60万円を返済するとする。


駐車場の利回りは20%とすると

300万×20%=60万円が

1年間の駐車場の料金としての収入。

経費はないものとして計算する。


・事業のための支出は経費になる。

・それ以外の支出は経費にならない。


というのが簿記の基本だが

土地は駐車場の事業用でも減価償却できない。

土地は年月が経っても面積が減らないため。


そして簿記のルールでは

以下のようになっている。


・CFはお金の流れなので

 減価償却は反映しないが

 お金の貸し借りは反映する。

・PLは事業の収支なので

 減価償却を反映するが

 お金の貸し借りは反映しない。


このため

CFとPLは、以下のようになる。


・CF=収入-融資返済=60万-60万=ゼロ

・PL=収入-減価償却=60万-ゼロ=60万


税金はPLに対してかかってくるので

税金を60万×33%=20万とすると

税引き後のCFとPLは、以下のようになる。


・税引き後CF

=税引き前CF-税金

=ゼロ-20万=マイナス20万

・税引き後PL

=税引き前PL-税金

=60万-20万=40万


・事業の収支を表すPLは40万円のプラスなのに

・現金の動きを表すCFは20万円のマイナス


という結果になっている。


このように

「PLはプラスでもCFはマイナスになる」のは

「黒字倒産」と呼ばれている。


土地は減価償却できないため

黒字倒産が起こりやすい。


「CFがマイナスでもPLがプラスならBSはプラス」

http://scene-ex.jp/L2485/b0/7t1941


先の駐車場事業は


・税引き後CF=マイナス20万

・税引き後PL=40万


であり


・現金は毎年20万減る

・借金は毎年60万減る


計算であったが

この事業を始める時

100万円を持っていた場合の

BSの推移は以下のようになる。


・土地購入時

 資産:300万(土地)+現金100万

 負債:300万(借金)

 純資産:100万

・1年後

 資産:300万(土地)+現金80万

 負債:240万(借金)

 純資産:140万

・2年後

 資産:300万(土地)+現金60万

 負債:180万(借金)

 純資産:180万


・5年後(借金完済)

 資産:300万(土地)+現金ゼロ

 負債:ゼロ。

 純資産:300万


結果として

毎年、現金は減って行くのに

毎年、純資産は増えて行って

5年後は現金がゼロになるが

借金も完済してゼロになって

駐車場としての土地が残っている。


これは

毎年、現金が減って行っても

毎年、それ以上に借金が減っていれば

毎年、純資産は増えているという事。


事業の収支はPLであり

毎年の税引き後PLの積み重ねが

毎年、BSの純資産として増えるが

毎年、現金が減ってCFがマイナスでも

毎年、事業の収支であるPLがプラスなら

毎年、BSの純資産は増える。


「長期の融資でCFは改善、PLとBSは不変」

http://scene-ex.jp/L2485/b0/8t1941


不動産は

長期の融資が受けられるのが特徴。


自動車を買う場合のローンは

5~10年が普通だが

不動産を買う場合のローンは

10~20年が普通であり

30年のローンを組める事もある。


無利子で融資を受ける場合は

融資期間が長期になると

CFは税引き前も税引き後も改善するが

PLとBSは税引き前も税引き後も全く変わらない。

(計算省略)


これは

PLはお金の貸し借りを反映しないので

ローンの返済額(元金分)が減っても

PLは変わらないため。


「利子を払うとCFは悪化、PLとBSはもっと悪化」

http://scene-ex.jp/L2485/b0/9t1941


融資を受ける場合、一般的には利子を払うが

事業のためにお金を借りた場合は

払う利子は経費になるので

PLから引くという簿記の決まりがある。


このため

CFでは

元金を返しても利子を払ってもお金が減るので

元金と利子の合計が、全てマイナスになる。

PLでは

元金を返した分はマイナスにならないが

利子を払った分は、マイナスになる。


これを元に計算すると

利子を払うとCFは悪化するが

それ以上にPLは悪化する。

(計算省略)


BSにおいては

毎年の税引き後PLが

毎年の純資産として加わるので

PLが悪化すると

毎年の純資産の増加が落ちる


だから利子を払うと


・CFは悪化する。

・PLとBSはもっと悪化する。


前回と今回の内容を合わせると

「長期の融資でCFは改善、PLとBSは不変」

「利子を払うとCFは悪化、PLとBSはもっと悪化」

となるが

融資期間と金利が

CF、PL、BSにどのように影響を与えるかを

以下、2回に渡って演習。


「金利4.5%期間30年VS

 金利2.0%期間20年」

http://scene-ex.jp/L2485/b0/10t1942


駐車場の土地の価格を3000万円

表面利回りは10%として

3000万円を元利均等返済で

金利4.5%、期間30年で借りると

年間返済額は182万円。


しかし3000万円を元利均等返済で

金利2.0%、期間20年で借りても

年間返済額は182万円で同じ。


だから

金利4.5%30年と金利2.0%20年では

CF=収入300万-返済182万=118万

までは同じ。


その後の計算結果は、以下の通り。


       4.5%30年 2.0%20年

・CF      118万    118万

・PL      166万    241万

・税金      55万     80万

・税引き後CF  63万     38万

・税引き後PL 111万    161万


2.0%20年では

税引き後CFは少ないが

税引き後PLは高いので

BSにおける毎年の純資産の増加が良い。

またローンが20年で完済になる。


「金利4.5%期間20年VS

 金利2.0%期間30年」

http://scene-ex.jp/L2485/b0/11t1942


駐車場の土地の価格を3000万円

表面利回りは10%として

3000万円を元利均等返済で

金利4.5%20年と金利2.0%30年で

比較した結果は以下。


       4.5%20年 2.0%30年

・CF       72万    167万

・PL      167万    241万

・税金      56万     80万

・税引き後CF  16万     87万

・税引き後PL 111万    161万


2.0%30年の方が

税引き後CFも税引き後PLも良いので

BSにおける毎年の純資産の増加が良い。

しかしローンは30年返さなくてはならない。


簿記ではPLが事業の収支を表すので

税引き後PLが高く

BSにおける

毎年の純資産の増加の良い融資条件

を選ぶのが、1つの考え方。


「新築アパートは、跡形もなく消滅?」

http://scene-ex.jp/L2485/b0/12t1942


アパマン経営の基本は

すでに土地を持っている地主さんが

アパートの建物を建てる事。


そしてこの時、建物を建てるお金は

全額、融資を受けてローンを組む事が多い。


そして

土地は減価償却できないが

建物は減価償却でき

木造アパートは22年で減価償却する。


アパートの建物の価格は3300万円

表面利回りは10%として

この3300万を元利均等返済で

金利1.2%、期間22年で借りて

アパートの建物を22年で減価償却する。

という条件で計算する。


空室、経費、減価償却、利子を考慮すると

1年目は

税引き後CF52万円

税引き後PL34万円

(計算省略)


最初はCFやPLがプラスであっても

築年数が経って

家賃下落や空室増加があると

CFやPLがマイナスになり

PLがマイナスだとBSの純資産も減って行く。


だから

最初にアパートを建てて

最後に解体して壊すまでのトータルで

純資産の増加がゼロという事もある。


これは、最初に土地があって

アパートを建てて、経営して、壊すと

建物が消滅するだけでなく

結局、何も残らない場合があるという事。


「不動産は、原価価値が高く、付加価値が少ない」

http://scene-ex.jp/L2485/b0/13t1942


最初に土地があって

そこへアパートを建てて、経営して、壊すと

結局、何も残らない場合がある理由は

「不動産は、原価価値が高く、付加価値が少ない」

という事。


価格というものは

価格=原価価値+付加価値

で決められる。


一般的な事業では


・原価価値10%

・付加価値90%


くらい。


だから

「いかにして付加価値を高めるか」

というのが、一般的な事業の生命線。


しかし不動産賃貸業では


・原価価値50%

・付加価値50%


くらいで、原価価値が高い。


不動産賃貸業において原価とは

最初に買ったアパートの価格であり

アパートの建物は毎年、減価償却するが

これが家賃の50%にもなる。


だから

最初に土地があって

そこへ新築アパートを建てても

家賃の50%を占める減価償却に加えて

さらに経費や家賃下落や空室増加があると

事業の収支を表すPLは

最初はプラスでも途中からマイナスになる。


このためBSにおける純資産は

最初は増えて行っても途中から減って行き

建物を壊すまでのトータルで

プラスマイナスゼロになり

結局、お金が1円も残らない事がある。


「フドーサン、フルローン、フロー所得?」

http://scene-ex.jp/L2485/b0/14t1942


「不動産は、原価価値が高く、付加価値が少ない」

というのは

デメリットだけでなく、メリットもある。


(メリット1)

原価価値が高いため

経営に失敗しても価値が二束三文にはならないので

金融機関からすると、お金を貸しやすい。

つまり大家としては融資を受けやすい。


(メリット2)

付加価値が低いという事は

経営努力をしてもしなくても

あまり結果が変わらないという事なので

良い物件を買ってしまえば

大家はほとんど何もしなくても

継続的に入居者が入って来て

継続的に家賃が入って来る。


(メリット3)

不動産は付加価値が少ないので

買った後から経営努力をしても報われないので

賃貸経営が成り立つかについて

簿記や財務三表を勉強して

物件を「買う/買わない」

の基準を作っておいて

その基準に合格した物件を買うようにすれば

ほとんどの場合において

賃貸経営が成り立ってしまう。


つまり不動産の場合は

簿記や財務三表の勉強が役に立つ。


しかし簿記や財務三表の勉強よりも

「満室にできる地域・物件に投資をする事」

が大切。


先生

「以上が

 不動産の財務三表CF、PL、BSの総復習です。」

生徒

「まとめていただいてありがとうございました。

 全体的な流れが

 わかってきたような気がします。」


先生

「実はですね。

 不動産の簿記が一般的な簿記と違う所は

「土地は事業用であっても減価償却できない」

 これだけなのです。」

生徒

「へえ~、そうなのですか。」


先生

「しかし簿記以外の部分で

 不動産には特殊性がありますので

 その説明を加えて行くと

 以下のように

 話が長くなってしまったのです。」


・土地は減価償却できないため

 PLがプラスでもCFがマイナスという

 黒字倒産が起こりやすい。

 しかしその場合も純資産は増えている。


・長期の融資が組める。

 無利子で融資を長期にすると

 CFは改善、PLとBSは不変。

 利子を払うと

 CFは悪化、PLとBSはもっと悪化。


・原価価値が高く、付加価値が低い。

 このため、地主さんが土地を持っていて

 そこへ新築アパートを建てても

 原価価値が大きくて、減価償却が大きいので

 建物を壊すまでのトータルで

 結局、お金が1円も残らない事がある。

 しかし、原価価値が高く、付加価値が低いのには

 メリットもある。


・ 融資を受けやすい。

・ 良い物件を買えば、ほぼ自動収入。

・ 簿記や財務三表の勉強が役に立つ。


生徒

「短くまとめていただくと

 さらにわかりやすくなった気がしました。

 ありがとうございました。」


先生

「では今日の授業はこれで終わりにします。

 以上が不動産の財務三表のまとめになります。」

「次回は「校外学習」として

 実際に不動産賃貸業をされている方に

 お話を聞きに行って下さい。」


今回は

「不動産の財務三表CF、PL、BSのまとめ」

と題して、説明を書かせていただきました。


今回の内容が参考になりましたら

以下を応援いただければ幸いです。

http://scene-ex.jp/L2485/b0/15t1942