妻であるイザナミが死んだ。
夫のイザナギが黄泉国へ迎えに行くと、イザナミは「黄泉国の神と相談してみるが、決して姿を見ないで欲しい」と言った。
しかし、待ちくたびれたイザナギは火を付けて、イザナミの腐った醜い姿を見てしまう。
逃げるイザナギ、怒って追いかけるイザナミ。
イザナギは、黄泉国と現世の境である黄泉比良坂まで逃げのび、岩で道を塞ぐ。
イザナミは「こんなひどいことをするなら私は1日に1000の人間を殺す」と言う。
イザナギは「私は1日に1500の子を産ませよう」と返し、2人は離縁する。(日本神話)
妻エウリュディケが死んだ。
夫のオルフェウスは妻を取り戻すべく冥界へ行った。
オルフェウスの竪琴の切ない音色に、冥界の者達は涙を流して聴き入った。
冥界の妃ペルセポネに説得され、夫ハデスは「冥界から出るまで決して振り返ってはならない」という条件を付け、エウリュディケをオルペウスの後ろに従わせて送った。
しかし、冥界からあと少しで抜け出すというところで、不安に駆られたオルフェウスは後ろを振り向き、妻の姿を見てしまう。
それが最後の別れとなった。(ギリシャ神話)
ギリシャ神話では、ハデスが冥界の王として、冥界から出て良いかどうかの条件を出している。
日本神話では、イザナミ以外に黄泉国の王がいる風だけど出て来ないまま、黄泉国から出て良いかどうかも不明なまま話が進む。
オマケ
オルフェウスの首を運ぶトラキアの娘 (ギュスターヴ・モロー)
地上に1人戻ったオルフェウスは、女性との愛を断ち、オルフェウス教の布教を始めた。
怒ったデュオニソスは女にオルフェウスを襲わせ、オルフェウスを八つ裂きにして殺してしまった。
彼の竪琴は、その死を悼んだアポロンによって天にあげられ、琴座になった。
前回の、ギリシャ神話冥界話。