日本三大がっかり名所と云うのがあるが、あの道しるべから大窪寺までは500mだったからいくら急な下り坂の連続でヒザに疲労があったとしても「奥の院」を撮ってきてココでお披露目するのもよかったかなと、今 若干後悔している。(9:44)
いくらあと500mと言えども段差のある坂道をトントンとは降りてこられず15分ほど掛って大窪寺の側面から境内に入った。裏道から境内に入る瞬間の風景を普段なら撮るのだが、何せ結願の証をもらう事で頭の中が一杯だったから目もくれず「納経所」に直行してしまった。
納経所の階段を上って薄暗い中を覗くとお遍路さんはいなかった。右側にガラス戸で仕切られた部屋の中にお坊さんと作務衣姿の女性が正面を向いて座っておられ、ワタシが手前の女性に「結願の証」が欲しい旨を伝えると「カウンターに紙がありますから姓名を書いてください」と言われた。ワタシは心の中で「上手くいった」と思いながらも、まだ安心はできない横の坊さんがワタシの様子をうかがってるのが雰囲気で判るから神妙な顔つきをして書いた紙をその女性に渡した。
ワタシが女性の筆の動きを見てる間、その横にいた坊さんは何も言わず別の作業をしていた。書き終わって「そこにあるドライヤーで乾かしてください」と言いながら“結願の証”を渡してくれた。(ちょっと前に、納経帳を持たずに巡ってるが結願の証は貰えるのか?と電話してきたのはコイツだなと横の坊さんが思ってるような気が何となくした)
乾かし終えた“結願の証”を丸めて賞状入れにいれていると、大きな袋を抱えた女性が入って来て「お電話した〇〇ツアーです」と言ってその荷物を台の上に置いて「お願いします」と渡していた。そのタイミングでワタシは作務衣の女性に会釈して納経所を出た。(10:05)
肩の荷を下ろしたようなほっとした気分で納経所を出て、本堂へ向かいお参りする。(10:20)
お勤めを終えたあとコミュニティーバスのバス停の在りかを確認するため一旦お寺を出るが、とりあえず目に止まったモノを撮っておいた。
参考にしている遍路ブログなどでは山から下りてきて直接 境内に入ったとしても、一度出て山門から入り直すという記事を多く目にするので、ワタシもなるべくそのようにしてきたがココでは“結願の証”を優先してしまいその様には出来なかった。(10:25)
山門の外は四国八十八ヶ所最後のお寺だけに観光地然としていた。(10:27)
階段を降りて左側の駐車場のその先に遍路宿の八十窪(やそくぼ)さんがあるのを目視する(バス停の場所を確認してから近くへ行って撮るつもりでいた)、そして階段を降りた右手側にバス停を見つけ発車時刻「13:30発」を目にして三時間半待ちの現実を実感する。(10:30)
取りあえず近くのベンチで腰を下ろし、大窪寺の境内を散策しながら時間を潰すか?このまま10番切幡寺まで行ってしまうか?どうするか作戦を練ってから境内に戻ろうと決めた。
そしてリュックを降ろそうとした時 年配の夫婦が車に乗ろうとしてるのが目に入る、見ると京都ナンバーでコンパクトカーだった。大型セダンだと けんもほろろに断られそうだし、地元の車ならお参りを終えたとしてもどこかへ寄る予定もあるだろうし警戒もされるだろうから声はかけなかったが、何となくダメもとで夫婦に声を掛けてみる気になった。