早朝の仕事の利点は、日中が完全に自由になることだった。
多少の眠気に襲われることもあったが、そういう場合は十五分程度昼寝すればあとはすっきりしたものだった。
空き時間を利用して専念したのは、意外にも小説や脚本の執筆だった。
これまで触れることはなかったが、実はヒカリが一歳の頃よりぼくは小説と脚本を書くようになっていた。
ヒカリの成長に応じて自由に使える時間は増え、作業に割ける時間が少しずつ多くなっていった。
長年に渡って書きためてきた文章は膨大な量になっていた。とは言え、それをどのように形にすればいいのか分からなかった。
やはり“然るべき時期”を待つ他なかった。