6-1 イルカからの贈り物 2 | 夢、成る瞬間

夢、成る瞬間

ダグラス・コマエ物語

 誰しも二面性を持っているわけだが、それはミケも同じだった。

 これは内面的なことであると同時に外面的な話でもある。ミケの顔の配色がおかしかったのだ。
 顔の左半分は黒っぽく、なんとなく海賊の眼帯をつけているように見えた。右側は全体的に白く、こうして見ると白黒がはっきりしていた。
 じっと息をひそめて獲物を狙う時は海賊の表情になり、例えばポカポカした日向ですやすやと眠る時はたいてい天使側の顔を向けていた。
 そのミケの登場により、少しずつネズミの被害が減っていった。
「おまえはえらい」
 小さな友をほめると、ミケはニャーと答えた。
 ある日、ミケがベランダで昼寝をしていた。なにかを見つけたのか、
「ニャーニャーニャー」
 と鳴いた。

 

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