大使館が当てにできないと分かり、ぼくらはすぐに航空会社に走り、状況を調べた。
ここにビリーの――風習でいうところの――息子ポールがいた。ぼくはポールに助けを求めた。
「オーストラリアとニュージーランドの外務大臣を含む使節団が、今日、空軍機でソロモンに到着した。この使節団は総理大臣と双方の武装グループと話し合うことになった」
ポールは言った。もしそこでなんらかの和平協定が結ばれたならば、国際線はすぐにも運航を再開するだろうとのことだった。
「よし、これだ――」
少なくとも頼りない日本国大使館よりは現実的だった。
ホテルに戻ると、ぼくはみんなに経過を説明した。
「えっ、じゃあ、あとは待つだけってこと?」
アミが聞いてきた。
「そう、あとは待つだけ」
アダチが代わりに答えてくれた。
ビリーの風習上の息子ポール(2000年)