5-3 迫るピンチ 1 | 夢、成る瞬間

夢、成る瞬間

ダグラス・コマエ物語

 大使館が当てにできないと分かり、ぼくらはすぐに航空会社に走り、状況を調べた。
 ここにビリーの――風習でいうところの――息子ポールがいた。ぼくはポールに助けを求めた。
「オーストラリアとニュージーランドの外務大臣を含む使節団が、今日、空軍機でソロモンに到着した。この使節団は総理大臣と双方の武装グループと話し合うことになった」

 ポールは言った。もしそこでなんらかの和平協定が結ばれたならば、国際線はすぐにも運航を再開するだろうとのことだった。
「よし、これだ――」
 少なくとも頼りない日本国大使館よりは現実的だった。
 ホテルに戻ると、ぼくはみんなに経過を説明した。
「えっ、じゃあ、あとは待つだけってこと?」
 アミが聞いてきた。
「そう、あとは待つだけ」
 
アダチが代わりに答えてくれた。

■ マップ 「日本大使館」

ビリーの風習上の息子ポール(2000年)
 

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