4-11 その場しのぎの苦肉の策 2 | 夢、成る瞬間

夢、成る瞬間

ダグラス・コマエ物語

 実際にそうなった。なんと十一人もの客が狭いわが家に泊まりに来ることになったのだ。ぼくとモニカを入れると十三人になる。

 すでに述べたように寝室は二つしかなかった。そのうち一つはぼくとモニカ用だった。

 苦肉の策として、高床式である家の床下の空間に急きょ部屋を二つ増設することにした。さらに二段ベッドも用意し、なんとかこのピンチを切り抜けることができた。

 この時点ではまだ定まったコンテンツがあるわけではなかったが、訪問客をレリー島へ連れて行ったり、周辺の村を訪れたり、洞くつを探検したりした。

 マーケットの日であれば行き、パンパイプ・ミュージックも鑑賞した。

 パンパイプ・ミュージックとは、簡単に言えば竹で作られた楽器によるオーケストラである。

 竹の長さで音が変わる。たくさんの竹筒を音階に並べて一個の竹楽器ができる。高音域の竹楽器は手に持てるサイズである。要するに竹笛だ。
 低音域になるとサイズも大きくなる。とても持つことはできない。これは地面に据えられる。竹の筒の部分を太鼓のように叩く。音が響き、迫力がある。

■ フォト 「苦肉の策の床下部屋」

 床下に部屋をこしらえた。ベランダに立つのはモニカ(マライタ州 アダコア 1998年)
 

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