2-4 信じられない話 4 | 夢、成る瞬間

夢、成る瞬間

ダグラス・コマエ物語

「コーニチワ」
 おかしげなイントネーションの日本語らしき言葉で話しかけてきたソロモン人がいた。
 いや、あんたもう暗いからコンバンワだろと言いたかったが、ぼくはそれどころではなかったのでとりあえずコーニチワと返した。
 この人物はかつて漁船に乗り、日本人と仕事をしたことがあるという。

 沖縄にも行ったことがあり、もうほとんど日本語は忘れてしまったが、ぼくを見てつい言葉をかけずにはいられなかったというのだった。
 また幸運なことに、この人はぼくと牧師のためにファーストクラスの船賃まで出してくれた。

 ファーストクラスは大きな部屋になっていて、長椅子が並んでいた。
 扉を開け、一歩中に踏み込むと思わぬ清涼感を味わった。なんと冷房が効いていた。

夜のラモス号(ソロモン諸島ホニアラ 1994年)

 

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