「コーニチワ」
おかしげなイントネーションの日本語らしき言葉で話しかけてきたソロモン人がいた。
いや、あんたもう暗いからコンバンワだろと言いたかったが、ぼくはそれどころではなかったのでとりあえずコーニチワと返した。
この人物はかつて漁船に乗り、日本人と仕事をしたことがあるという。
沖縄にも行ったことがあり、もうほとんど日本語は忘れてしまったが、ぼくを見てつい言葉をかけずにはいられなかったというのだった。
また幸運なことに、この人はぼくと牧師のためにファーストクラスの船賃まで出してくれた。
ファーストクラスは大きな部屋になっていて、長椅子が並んでいた。
扉を開け、一歩中に踏み込むと思わぬ清涼感を味わった。なんと冷房が効いていた。
夜のラモス号(ソロモン諸島ホニアラ 1994年)