ぼくは聞いたばかりの話について少し考えてみた。
どうやらぼくは神の導きというものにいつの間にか従っていたようだ。
牧師は、心の内を見つめることにより神は見つかるのだと言った。
(ああ、そうか――)
ぼくは突如答えに気がついた。
大学の食堂や図書館で、あるいは自分の部屋でじっと座り、ぼくは来る日もこれからの人生について真剣に考え、わがゆくべき道にあれこれと思考をめぐらせてきた。
これこそ牧師が言うところの内面を見つめる行為なのだろう。ぼくは自然と意識を心の内に集中させていたようだ。
「わがゆくべき道は、一体……。人生はなんのためにあるというのか」
神うんぬんは別として、この問いかけこそがすべての始まりだったのだ。
海に面したホニアラ教会の裏庭(ソロモン諸島ホニアラ 1994年)