もしかするとだまされているのではないかと思いつつも、ぼくはビリーについて行くことにした。おっさんを信じてみることにしたのだ。
どうせ失うものなどなかった。
さて、ソロモンは六つの主島と約千もの島々からなり、これらを中心に九つの州が構成されていた。
ビリーの村は、このうちのマライタ州の東岸に位置した。そこまで行くにはホニアラよりまず海を渡る必要があった。
とはいえ、船が予定されていたのは翌日であり、ぼくはメンダナでもう一泊しなければならなかった。
これがクセ者であったのは、メンダナでの二泊によってぼくは資金の大半を使ってしまうことになったからだ。
旅の終わりのほうで再び困った状況に置かれることになるのだが、それはまたその時に語ろう。