翌朝、大きな喜びに包まれてさわやかに目を覚ました。
無条件の喜びであり、訳もなくうれしさが込み上げてくるようであった。
「さて――」
出かける準備が整うと、ぼくはまずスティーヴを探しに行くことに決めていた。
実は旅が決まった時点でスティーヴに手紙を送っていた。が、肝心の返事を待っているうちに出発を迎えてしまい、結局スティーヴと連絡が取れずじまいだった。
従ってスティーヴを探しに行くと言っても、実際どうすればいいかまったく分からなかった。
とりあえず外へ出てみることにした。
さんさんと照り輝く太陽のもと、ホテル前の道端に腰を下ろした。
「さあ、どうしようか……」
一人で考えごとをしていると、ふと強い殺気を感じた。
その方に目をやった。
メンダナ・ホテルのロビー(ソロモン諸島ホニアラ 1994年)