本番から一週間が経ちました。
GPから楽日までの4日間は夢のようでした。
いい意味でも悪い意味でも。
本当に起きた出来事だったのかな?とさえ思います。
9日の夜に発熱し、10日朝に診察を受けたらコロナ陽性。
その日のうちに39度まで熱が上がり意識も朦朧とする中ひたすら眠り、
起きたら水分と食事をたっぷりとり、薬はトラネキサム酸とムコダイン。
コロナはいまだに対処療法しかないからとにかく喉に影響が出ないよう
生理食塩水の吸入を一日20回ほどしました。
後は、漢方薬の補中益気湯、そして水素カプセルを飲み続けました。
3日間熱は上がったり下がったりを繰り返し四日目に解熱。
その間、頓服としてカロナールを3回飲みました。
三日目あたりから案の定、咽頭が真っ赤に腫れてきました。
でも声は出ます。
何故なら喉頭と声帯が無事だったからです。
咳も出ていましたが、吸入が功を奏したのか気管の炎症は少なくて済みました。
とにかく体を休めて、栄養をたっぷり取って五日間を過ごしました。
国が定める五日間の療養を終えた翌日はもう舞台稽古。
声を全く出していなかったので果たして出るかどうかわかりません。
歌い手にとって熱より怖いのは喉周囲炎。
喉周囲に炎症が起きていると痰が絡んだり、咳込んだりしてしまいます。
本番中に咳込んだらもうアウト
初めは恐る恐るでしたが、歌い始めたら声帯の状態は良い
あとは自分を信じることにしました。
「私は絶対にできる」
「基本に忠実にただそれだけで歌い演じよう」
奇跡が起きました
三日間六回公演、一度も喉のトラブルに見舞われませんでした。
むしろ喉にあまり負担をかけられない分、力を抜いて歌ったせいか
声の伸びが良く、スーッと自分から離れていくのを感じました。
ああ、こんなに楽に歌っていいんだ~~~
と新たな発声との出会いに感動さえ覚えていました。
60代にして新たな発見ができたことは大きな喜びでした。
ただ毎回、常に自分の声、体、舞台に無茶苦茶集中しまくっていたので疲労困憊しました
毎回終演後には口もきけないくらい疲れていました。
もう自宅に帰って食事をしたらバタンキューでした。
でもそのおかげでぐっすり眠ることができて、翌日はまた気持ちよく歌うことができました。
今となっては何もかもが良い方向に向かっていたような気がします。
「けがの功名」
もちろん初日直前にコロナに罹ったことはとても辛い経験でした
「舞台降板」も頭をよぎりました
でも見事五日間でコロナを封じ込め、舞台には何ら影響を及ぼさなかったばかりか新たな発声を見つけることができました
緊急事態で思いがけず見つけた柔らかい発声法を我がものとして、今後の舞台に活かしていきます。
この歌い方は下半身の支えは重要ですが、喉への負担がめちゃ少なくて今後長く歌っていけそうな気がします。
必要な苦難が訪れる。
苦難は幸福に入る門である。
それが現実となりました。
まだまだ舞台で歌い演じていくために与えられた試練だと思います。
夏、秋と舞台が続きそうです。
この経験を宝として、次につなげていきたいです。
忘備録としてブログに書いておきます。
ありがとうございました。