●デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション(1~12巻) @浅野いにお | ★50歳からの勉強道~読書録★

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本は友達。一冊一冊を大切に記憶に留めておきたい。

すンごいタイトルだけど、そこがまた
グッと来た。こういうの大好きだわー。

現在映画で前編を公開中。
都内に住む仲良し高校生の話なんだけど
ツインテールの中川凰蘭
(おうらん=おんたん)の声をあのちゃん、
メガネの小山門出(かどで)をYOASOBIの
幾田りらが演じる、というキャスティングで
注目されている。


原作マンガは12巻で完結済み。
話題作ということでBOOK・OFFでも
なかなか手に入らなかったが
何とか揃えて読みました。


結論から言うと大変面白かった!!
「地球がクソやばい」のキャッチコピー通り
東京上空には謎の巨大母艦が
カレコレ3年も滞空し、
時折吐き出す小型船には
「侵略者」なる生命体も多数乗っている。


今日もあちこちで「侵略者」を駆除する
「戦闘」が行われているんだけど、
都民はすっかり慣れっ子で
テレビで「本日の母艦予報」をチェックし
母艦による「日照権侵害」を訴える
デモ行進とかしてるワケで。


未知なる脅威に直面し政治は混乱
迎撃用の武器開発する一企業は大躍進、
母艦撲滅を主張する強硬タコ派と
侵略者にも人権を!というイカ派で
ネットは紛糾、侵略者との共存を訴えて
盛り上がる若者の活動団体、、、
どこかで見たような光景は
露骨な社会風刺に満ちている。

てか満ち過ぎて
英米グローバリズム、チャイナマネー、
コロナ医療マフィア、GAFA、国連、、
まんま今の日本が抱える危機的状況
そのものなんである。


そんなクソヤバい社会のクソッタレな日常
の中、女子高生達はちゃんと恋もしている。
おんたんと門出、それぞれの
淡くて必死な大人への階段の登り方は
とてもリアルで涙がでたよ。

私はおんたんのキャラが大好きだけど
実はとても頭が良くて繊細であるが故に
「ボクが超やべー独裁者になる」と豪語し
徹頭徹尾ふざけ散らかす、敢えての
中二病患者っぷりが、泣けるのよ。。

そんなおんたんに声優あのちゃんの声と
口調はピッタリでナイス演技だった!

「手も足も出ませんでしたよ。」
「手も足も出ないならオッパイ出せ。」


漫画は背景などがとても緻密に描かれ、
内容も濃い。
ドラえもんのひみつ道具を真似た
ほのぼの系と思いきや、
バック・トゥ・ザ・フューチャーか
インターステラーか、といったSF要素が
混み入って理解が追いつかず、、さらに
「1984」的全体主義ディストピアの悲惨、
「注文の多い料理店」的な怖さも出現し
どっちが侵略者だよ!?と考えさせられたり
して、ついに3回読み返す。
漫画だと侵略者の不思議な言葉も
こんな風に表現できるんだ。


映画のパンフに書いてあるように、
情報量が多いので、映像にまとめるのは
大変だったそう。それでも
見た後、どっと疲れた。見応え充分。

そんな社会派マンガだからか、、?
映画館の上映は1日1回、最終ナイト回のみ
しかも席ガラガラであった。
こんなに面白いのになぜだ? 勿体ない。

そして後章の結末は原作漫画とは違う物に
なるらしい。うー楽しみ!
やはり、私的には漫画も映画も両方
見るのがオススメかな。
だって、主題歌の絶絶絶絶対聖域、
とってもカッコイイんだもん。


人類終了まであと半年!!