●ネオフィリア~新しもの好きの生態学 @ライアル・ワトソン 訳/内田美恵 | ★50歳からの勉強道~読書録★

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本は友達。一冊一冊を大切に記憶に留めておきたい。

初めて聞く科学のお話。
「ネオフィリア」という言葉と、表紙が
なんか素敵だよね。


ネオフィリアの意味は「新し物好き」。
不思議なもの、稀有なものに惹かれ、
常に何かを求めて行動し続ける性質だ。


これこそ、人間が、いや「人間だけ」が、
現在のような目覚ましい進化を遂げた
理由なんだって。




人間が猿から進化したのは知ってるよ。
でも、大きな脳を持ち、道具を発達させ
言葉を持ち、社会生活を営み、、と思ったら


どんどん武器を進化させ、科学技術を産み
学問を深め、歌を作り、生活を楽しみ、
今ではコンピューター、人工知能、宇宙開発
留まることを知らない発展ぶり。

これは動物的にたいへん不思議な事なんだ。




作者のワトソンさんは、動物園長をしていて
トラとライオンの違いから
コレに気づいたという。


同じネコ科の動物なのに、ライオンは怠け者
で、食糧さえ十分なら寝てばかりいる。
しかしトラは退屈して落ち着かなくなり、
ノイローゼにならないよう気を遣うという。


動物のほとんどは、ライオンタイプで、
保守的で慣れ親しんだものを求め、
アリクイが上手にアリだけ食べるように
生活に適した能力に特化して、技を磨く。



これに対しネオフィリアな人間の行動は・・
生きてゆくにも、生活の便利を求めるにも
生物的必要を超え、明らかに「過剰」なのだ。


わざわざ手の込んだ趣味を楽しみ、
苦痛を生み出してまで山登りに挑戦し、、
うーん、確かにヘンな動物だよなぁ。


人間がネオフィリアでなかったら、
せいぜい石器人の段階に留まっていただろう
・・・それで充分生きられたはず。






この本には、そんな人間の進化の不思議、
脳や意識、知覚、聴覚、視覚の謎。
人が聴ける音、見えるモノは限られている、
臭覚を犠牲にして知力を得ている、、など
ヒトのフシギ、脳の不思議が次々と。


「ガイア理論」は1960年代に提唱された。
地球を生物たちと共に一つの生命体として
捉え、ギリシァ神話の大地の女神・ガイア
の名前をつけた、、という、当初は
いわゆるトンデモ理論だったみたいだが、、



最近はもっとスゴい「人間原理」もあるし、
不思議で理解できないからアリエナイ!と
片付けるワケにはいかないのだ。
世界は宇宙は人間は、、マジ卍卍卍。


全ての物質はエントロピー増大の法則に従い
徐々に崩れる方向にしか向かわないのに、
その中に明らかに秩序が生まれ、
地球が存在し、人間が暮らせている。
それがそもそも、どんなに不思議で
どんなに理屈に合わない事か!
さらに必要以上に備わった、この知性は・・?





何も無い宇宙のビッグバンから生まれ
電話してテレビ見てネットする動物、ヒト。
偶然に出来た、というにはあまりにも
不思議に環境が整いすぎてないか!?
つまりこれは偶然でなく、意図されて・・(*_*)


信じるか信じないかは、、貴方次第?
ガイア次第?  私の脳みそ次第??

石と石の会話?、心の目?、手斧の謎?
・・・長年慣れ親しんだ、この「脳」を使って
考える限り、先入観を越えるのは難しいぞ~