●ボラーノの広場 @宮沢賢治 | ★50歳からの勉強道~読書録★

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本は友達。一冊一冊を大切に記憶に留めておきたい。

まだまだ続く、宮沢賢治ドミネーション。
「ボラーノの広場」は宮沢賢治が
「銀河鉄道の夜」、「風の又三郎」、
「グスコープドリの伝記」と並べて
「少年小説」に位置付ける、代表作。


これにもやはり、前駆作があったり、
「毒蛾」という作品と途中が同じだったり、
色んな試行錯誤をしつつ作られたようだ。





解説によると
「理想の共同体とはどうあるべきか」という
問題を投げかける作品!なんだけど、、


私は、深く考えず楽しく読んだっ!(^.^)
存在するかわからない「伝説の広場」を
主人公(賢治?)と子供が探す、お話。


暗くなってしまった野原で、ポッと光る
「つめくさのあかり」を道しるべに、
花びらに書いてある番号を、5000まで
数えれば、きっと広場に着くはずだ。。
・・なーんてユニークな発想が賢治の魅力!
感性豊かだなぁ。いっつも感心しちゃう。


白つめくさ(クローバー)は賢治の好きな花
なんだ。そして、花に書かれた番号は
北極星の周りの星雲の番号(NGC番号)だ、
と解釈する研究者もいる。

ポラーノの広場は、宇宙の中心にある
北極星(ポーラーの)広場。わぉ。

野原に光る白い球をぼんぼりに見立てる。
先日の「激レアさん」に四ツ葉のクローバーが
光って見える・・って女性が出てたなぁ。(°▽°)





「花は地上の星、星は天上の花、
よって両者の価値は同等である」という
「関係式」を賢治は持っていて、


「銀河鉄道の夜」や「よだかの星」では
天上は地上より天国(浄土)に近い場所
として描かれるけど、
地上にこそ天国を作らねばならない!
と、賢治は強く思っていたんだ。


花巻の農村活性化のために、当時は珍しい
トマトやチューリッブの栽培を広めたし、
開発中の花巻温泉から依頼を受けて、
西洋風の花壇も作った。

賢治は、花壇を「聖なる空間」と考え
沢山の独創的な花壇を設計、製作している。

賢治が設計し、花巻農学校の生徒と作った
西洋式花壇が復元されている。


「tearful eye」=涙ぐむ眼   と名付けられた
花壇の設計書


tearful eyeの花壇は盛岡少年院のシンボル





「手紙  四」という作品には
「双子の星」と同じ
チュンセとポーセが出てくる。
これは賢治(チュンセ)と、
死んでしまった妹トシ(ポーセ)の投影だ。




鳥も魚も獣も虫も、
「みんなみんな昔からの兄弟なのだから、
チュンセがポーセをほんとうにかあいそうに
思うなら、大きな勇気を出して
全てのいきものの本当の幸福を探さなければ
いけない。
それはナムサダルマブフンダリカサスートラ
というものである。」

・・・これは賢治の率直な信念かな。


「英雄たちの選択」では
教師時代の宮沢賢治の姿を通して、
彼が求めた「本当の幸い」について考える。


磯田先生いわく、宮沢賢治は
◆人は何のために生きているのか
   この世の中はどうして存在しているのか
   という根本的な問題を、日本史上
   分かりやすく本気で考えた人の一人、だと。





歌もあるのだ。♪