「ボラーノの広場」は宮沢賢治が
「銀河鉄道の夜」、「風の又三郎」、
「グスコープドリの伝記」と並べて
「少年小説」に位置付ける、代表作。
これにもやはり、前駆作があったり、
「毒蛾」という作品と途中が同じだったり、
色んな試行錯誤をしつつ作られたようだ。
解説によると
「理想の共同体とはどうあるべきか」という
問題を投げかける作品!なんだけど、、
私は、深く考えず楽しく読んだっ!(^.^)
存在するかわからない「伝説の広場」を
主人公(賢治?)と子供が探す、お話。
暗くなってしまった野原で、ポッと光る
「つめくさのあかり」を道しるべに、
花びらに書いてある番号を、5000まで
数えれば、きっと広場に着くはずだ。。
・・なーんてユニークな発想が賢治の魅力!
感性豊かだなぁ。いっつも感心しちゃう。
白つめくさ(クローバー)は賢治の好きな花
なんだ。そして、花に書かれた番号は
北極星の周りの星雲の番号(NGC番号)だ、
と解釈する研究者もいる。
ポラーノの広場は、宇宙の中心にある
北極星(ポーラーの)広場。わぉ。
先日の「激レアさん」に四ツ葉のクローバーが
光って見える・・って女性が出てたなぁ。(°▽°)
「花は地上の星、星は天上の花、
よって両者の価値は同等である」という
「関係式」を賢治は持っていて、
「銀河鉄道の夜」や「よだかの星」では
天上は地上より天国(浄土)に近い場所
として描かれるけど、
地上にこそ天国を作らねばならない!
と、賢治は強く思っていたんだ。
花巻の農村活性化のために、当時は珍しい
トマトやチューリッブの栽培を広めたし、
開発中の花巻温泉から依頼を受けて、
西洋風の花壇も作った。
賢治は、花壇を「聖なる空間」と考え
沢山の独創的な花壇を設計、製作している。
西洋式花壇が復元されている。
花壇の設計書
「手紙 四」という作品には
「双子の星」と同じ
チュンセとポーセが出てくる。
これは賢治(チュンセ)と、
死んでしまった妹トシ(ポーセ)の投影だ。
鳥も魚も獣も虫も、
「みんなみんな昔からの兄弟なのだから、
チュンセがポーセをほんとうにかあいそうに
思うなら、大きな勇気を出して
全てのいきものの本当の幸福を探さなければ
いけない。
それはナムサダルマブフンダリカサスートラ
というものである。」
・・・これは賢治の率直な信念かな。
「英雄たちの選択」では
教師時代の宮沢賢治の姿を通して、
彼が求めた「本当の幸い」について考える。
磯田先生いわく、宮沢賢治は
◆人は何のために生きているのか この世の中はどうして存在しているのか
という根本的な問題を、日本史上
分かりやすく本気で考えた人の一人、だと。