●周公旦 @酒見賢一 | ★50歳からの勉強道~読書録★

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本は友達。一冊一冊を大切に記憶に留めておきたい。

中国史上屈指の聖人であり政治家、
孔子が夢に見るほど私淑した人物、周公旦。
久しぶりの中国史は、おとぎ話を読むように
楽しいのだ。



時代は紀元前1000年くらいのこと。
夏→殷→周と続く古代王朝の、殷を滅ぼす所。この辺り逸話や伝説が多く、
太公望・・と聞けば身近な気もするけど、
めちゃめちゃ昔なんだなぁ。。





殷の紂王と妲己は「酒池肉林」の代名詞だし、
叔父である比干を殺して心臓を見る、とか
箕子が気違いのふりして脱出した、とか。


殷の紂王





対する周は文王→武王、そして太公望の時代。
太公望の釣り伝説、肉屋伝説はもちろん、
捕えられた文王が、我が長男の肉を食べさせ
られた、という怖い話もあったっけ。。
(当時、食人は普通にあり、食べた人の中に
永遠に生き続ける・・的な呪術でもあるらしい)



史記の最初に出てくる伯夷・叔斉は、
周が殷に出兵するのを咎め、果ては餓死する
っていう、聖人伝説だった。


伯夷と叔斉





商王朝は首都を朝歌に遷都し「殷」を号した。
祭政一致の神聖王朝で、殷王は現人神。
亀甲、大骨を使う占卜、その卜辞が甲骨文。
祭礼~礼~霊、、って通じてるんだなぁ。



文字を操れる人が少ないこの時代、
言霊や文字を使用することは呪術でもあり、
周公旦が多くの人に恐れられ敬われたのは
文章を始めとする呪術能力による、という。



周公旦は殷の魔術的、宗教的な占卜を改め
独自の「周礼」を築いてゆく。これが偉大な
功績なのだ。500年後の魯に孔子が生まれ、
「易経」として成立するモトになるんだって。


周公旦


というような、振り返り基本情報が
この本には実に解りやすくまとめてある。
忘れないように、メモメモ~


太公望を採用した周の文王。姓は姫、名は昌。
殷の配下で西方を領していたので「西伯」


文王と太公望の出会い



文王の死後、跡を継ぎ約10年後に殷を滅ぼす
武王は、文王の二男発。周の初代王になる。


周公旦は文王の第四子。武王の弟。名を旦。
叔旦と呼ばれ、のち称号として周公。
魯を得たけど、武王→成王の側を離れられず
周の基礎確立に専念し、長男が魯を治める。



文王の長男、伯邑考は殷に殺され、
三男は鮮。菅に封じられたので菅叔。
五男は度。蔡に封じられ蔡叔。
共に後、太公望にそそのかされて造反する。






ついでにいえば、
太公望呂尚は姜族の出身で、軍師として
殷周戦争を主導。「牧野の戦い」で勝利し、
斉の始祖となるけど、、その後もスキあらば
周を乗っ取ってやろか・・・と密かに画策する
危険人物だったらしい。スゲー黒田官兵衛チック。



太公望の企みを、機知をもって退けた周公旦
のお手並みは鮮やか!豊臣秀長が長生き
してたら、こんな存在だったかもなー。