特に若い頃の元気っぷり、何度も声を出して
笑っちゃう。文章が面白いんじゃなく、
本人そのものが、オモシロイんだな~
こんなに面白いのに内閣総理大臣だし、
敏腕の大蔵大臣だし、日本銀行総裁だ。
すっごく偉いのに、こんな面白いなんて。
いや、面白い人間だから、偉くなれたのか?
人生は深いなぁ。。
何がそんなに面白いのか、、考えるに・・・
別れ道に立ったときの思考回路、かな。
それが、飲むや遊ぶやの些細な事でも、
人生の進退を決める重大な岐路にあっても、
実に明快で潔い。で、ちょいおバカさん。(^^)
「その時の自分の最善」を躊躇なく選択し、
損得とか、先の事とか、どうも計算してない・・
自分の考えに芯がある、とも言えるけど、
間違いなく行き当たりばったり、でもある。
「高橋さんはとにかく面白い人」と書いている。
で結果、喧嘩、辞表、転職やらを繰り返す。。
でも放蕩の末、借金がかさみ無一文になった
時でも、フルベッキ先生に貰った聖書だけは
手放さなかったそうだ。
フルベッキに英語を習った人は多い。
本職は宣教師。
日露戦争の戦費調達は、英米独仏を回り、
各国の思惑も様々、、後半かなりの紙面を
割いていて、やはり相当大変だったみたい。
で、回顧もそこまでで終わってしまう。
本当は晩年の大蔵大臣での財政再建や、
軍部との対立について知りたかったので、
ちょっと残念だけど。
編者の上塚さんは、長く側近を勤めた方で、
「翁の行蔵には神韻縹渺の趣がある。
翁の言葉には無限の含蓄を包蔵する。」
是清さんの言葉を一言も聞き漏らすまじ、、
と、書き留め続けてきたんだ。
その膨大な記録を元に、是清自身が何度も
補正を加えて刊行した、と自ら解説する
前書きの日付が、なんと昭和11年1月で。。
・・・冒頭から息をのんでしまう。
この人が、翌月、拳銃で撃たれ命を奪われる
なんて、そんな理不尽あっていい訳ない。
家族に囲まれ、穏やかな大往生もできた
だろうに、、時代がよっぽど異常だった
・・・としか、思えない。悲しい。