●佐藤一斎「重職心得箇条」を読む @安岡正篤 | ★50歳からの勉強道~読書録★

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本は友達。一冊一冊を大切に記憶に留めておきたい。

渡辺崋山の本を読んでいて、
めっちゃ気になったのが、佐藤一斎。



昌平坂学問所の筆頭教授で、
数多の幕末活動家がこの人に学び、

入門者は渡辺崋山、佐久間象山、横井小楠

水戸藩の徳川斉昭、藤田東湖にも関わり、

西郷隆盛、吉田松陰、山田方谷
小林虎三郎、河合継之助、大塩平八郎にも
影響を与えた・・・ってスゴすぎない?







この「重職心得箇条」は、小泉純一郎総理が
当時、役人とモメる外務大臣・田中眞紀子に、“これを読みなさい”と、贈ったことで
話題になった。


当の真紀子さんは「余計なお世話。」  ('ε'*)
と、読まなかった・・そうだけど、
同じ「真紀子」である、まきこんぐは
素直に読んでみたのである。てへ。

渡辺崋山の描いた、佐藤一斎。





佐藤一斎は、岐阜県岩村藩松平家の
家臣である学者さん。


昌平坂学問所学長かつ、あの鳥居耀蔵の
実父でもある林述斎も同藩出身。
二人は幼い頃からの学友で、述斎の退任後
学長となったのが、佐藤一斎なのだ。


いつも渡辺崋山と鳥居耀蔵はセットで
出てくる。。因縁だなぁ。

岐阜県恵那市にある岩村城は日本三大山城





もともと林家の私塾だった昌平坂学問所は
松平定信によって幕府の官立とされ、
儒学、主に朱子学を教える所。


「民はよらしむべし、知らしむべからず」
国民は寄りかからせておけばよい、
高度な情報を知らせることもない。=
政治家に任せておけ!ある意味理想だけどね。


鳥居耀蔵の実父、林述斎。
これもなんと、渡辺崋山・筆





でも、佐藤一斎は表面、朱子学の立場を
とりつつ、実際は朱子学と対立する
陽明学も教えた。
門下生はそっちに影響されたんだ。


陽明学といえば、「知行合一」
知ったら行動せよ。ってことで、


大塩平八郎は幕府に反乱を起こす。
横井小楠は国際的政治家となり、
吉田松陰は密航を企て、
佐久間象山は和魂洋才を叫び、
西郷隆盛は幕府を倒す・・・


佐藤一斎はあくまで学者として「原理」を
教え、どう応用するか、については全く
関与しなかったけど、皆のやる気スイッチ
を押しまくったことは、間違いない。







この本自体は、安岡正篤による
「重職心得箇条」についての解説と講演。
薄ぺったいハンディなのですぐ読めちゃう


まきこんぐは「重職」に縁がないので、
「心得」の内容は、ふーん。と田中さん並み
にスルーしたけど、、他にも「言志四録」と
いう、西郷隆盛の愛読書が有名らしい。



お膝元の恵那市でのフォーラム。
斎藤孝先生も佐藤一斎の本を出してる。





安岡正篤自身も陽明学者。
かつ歴代自民党総理のアドバイザーで、
終戦の玉音放送にも加筆を施した、という
スゴい、スゴいお方。


六星占術の細木数子の師であり、最晩年に
は夫だった、、と言われてるけど、
親族の大反対で、婚姻関係は認められ
なかったようだね。


安岡正篤(やすおかまさひろ)