●昭和天皇独白録 | ★50歳からの勉強道~読書録★

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本は友達。一冊一冊を大切に記憶に留めておきたい。

昭和天皇独白録は1990年12月、
文藝春秋に発表され、話題となった。


内容は、昭和21年3月~4月の4日間計5回、
5人の側近を前に、戦争時の様々な事柄を
振り返り、語ったもの。


この貴重な資料は、長~く埋もれていて、
戦後45年、5人の側近の一人で、通訳の
御用係・寺崎英成氏の遺品から発見された。


元外交官の寺崎氏は国際結婚だったため、
ご家族は日本語を読めず、貴重な記録だと
わからなかったのだ。







読んでみると、これがなかなか面白い!


天皇陛下はとーっても率直に、戦争に至る
経緯や、各内閣について語っていて、
なんでもよくご存知だったんだな~(^^)


特に日独伊単独不講和協定の為に、
早期講和の機会を失ったのが、よほど
無念だったようで。。。


「これは大島(駐独大使)の責任が大きい」

「早く独乙が敗れてくれればいいと思った」


なんとまあ、正直。(*^^*)


昭和13年  陸軍始観兵式




さらに人物評は、かなりの毒舌!
天皇のお言葉なので、謹んで読もう、、と
思いつつ、クスクス笑っちゃう。('ε'*)


「板垣(征四郎・陸軍大臣)は、完全に軍の
ロボットで終わった」

「三国同盟について秩父宮と喧嘩をした」

「小磯内閣は予想通り良くなかった」

「豊田(副武)は賛成できぬ人物。かかる人物が
いるから陸海軍不一致になるのである」

「東條にも多少のファンがいる」


ぷぷぷ。



昭和10年 東京駅で満州国皇帝溥儀を待つ。
あまりの笑顔に、当時新聞掲載差し止め。





中でも一番可哀相な松岡洋右はボッコボコ


「松岡のやることは不可解が多い」
「ヒットラーに買収でもされたのでは」
「彼は他人の立てた計画には必ず反対する」
「彼の言を用いなかったのは手柄であった」


あまりの手厳しさに、巻末で解説座談会
する半藤さんたち、有識者は苦笑(^_^;)


天皇の思い違いもあるし、木戸内大臣の
影響が大きいよね~、と気の毒がる。


天皇語録としては「木戸幸一日記」という
第一級の資料があるが、独白録には天皇の
記憶違いや、事実と違う認識も。なので、


天皇が内輪話をされた、これは面白い!
という位の気持ちで、楽しく読んでほしい。
と結んでいる。 謹。



昭和24年  全国巡幸  in 久留米




巻末の超お役立ち一覧表。こりゃいい。