これは衝撃!
著者はモノホンの幕末攘夷志士!
司馬さんらの小説にも当然、登場する
土佐藩士・田中光顕のリアル肉声だ。
んなことあり得るのか?と思ったら
ご本人は昭和14年まで生きている。95才。
この本は、田中光顕85才の時のものだ。
土佐勤王党である武市半平太の塾に通い
始めたのが、文久元年19才の頃。
翌年、勤王党が参政吉田東洋を暗殺するが
実行者は叔父の那須信吾。 この時
伝令を務めたのが、志士デビューだ。
その後、年齢・経験的に主役じゃないけど
常に大物の補佐役として、数々の
重要場面に活躍している。
竜馬、中岡、高杉、久坂、木戸、伊藤、
井上、西郷、大久保、岩倉、、
オールスターキャストで登場するぞ!
なかでも一番、敬愛したのが高杉晋作!
弟子入りし、腰巾着のように奔走した。
当時は皆、魂ともいうべき刀に愛着があり、互いに自慢しあったりしたそうで、
光顕も薩摩浪人梶原鉄之助の刀が気に入り
頼んで譲ってもらう。
その刀に高杉が目をつけ、譲って欲しいと
頼まれた。断ったが、どうしても、というので、ならば弟子にしてくれ、と。(^-^)v
よく見る断髪の写真で、これ見よがしに
抱えている。薩→土→長と渡った、この
貞安の名刀、生涯離さなかったという。
高杉晋作
幕府との四境戦争では、高杉と共に小艦で
幕府艦隊を夜襲し、大島を奪還する。
この丙寅丸には機関士が居なかったので
経験無いのに光顕が志願!
「君で結構。」とは高杉も無鉄砲。(*_*)
高杉は軍服も着ずに、軍扇一本で号令。
「鮮やかな襲撃ぶりは、今考えても胸が踊る」という生の声に、私も胸キュンキュンだ~
薩長同盟にも木戸と共に上京し、
一部始終を見ている。竜馬が来なければ
決裂寸前!今考えてもハラハラするって!
さらに、坂本竜馬殺害の現場にも
駆け付けている。
まだ息のある中岡慎太郎の口から、
竜馬が「頭をやられたからもういかん」と
言ったって、、実際に聞いたんだね。。
のち、宮内大臣を勤めたが、明治37年
バルチック艦隊との海戦を控えた時、
皇太后様の夢枕に竜馬が立ち、皇国勝利を
予言したそう。さすが世界の海援隊!(^^)
とっても偉くなった、田中光顕。
最後に木戸孝允(桂小五郎)に貰った
という、俳句を披露する。
「世の中は 桜の下の 相撲かな」
勝った者には花が見えず、仰向けに倒れた者が花を見る。国事に奔走した者も
そんなものだろう。わかったか。
と、木戸は笑って言ったそうだ。