●天風の彩王(上・下) ~藤原不比等 @黒岩重吾 | ★50歳からの勉強道~読書録★

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本は友達。一冊一冊を大切に記憶に留めておきたい。

古代史最重要人物、藤原不比等は
天智ー鎌足コンビが残した最高傑作。



不比等は鎌足の二男だが、
実は天智天皇の子であった可能性が高い。
天智の子を宿した安見児を
鎌足が譲り受けたからだ。



誕生以来、田辺史大隅のもとで匿うように
養育され、天智天皇の御落胤では、、?
という噂は当時から
真しやかに囁かれていたようだ。



事実は産んだ本人にしかわからない。



しかし鎌足は敢えて曖昧にすることで
周囲の噂を掻き立て、
不比等本人さえもその気にさせてしまった。
わざとかな~?



壬申の乱に際しても鎌足の遺言で
中立を守り災難を逃れる。
先の先までお見通し。。



もちろん天武時代は敵方の重臣の息子。
不遇に甘んじるが、天武が死んでみれば
残った持統も、文武の母も天智の娘。



優秀な美青年・不比等は異母弟かもしれず、
思わず頼ってしまう訳で、
後は不比等の独壇場となる。



軽皇子の立太子・持統から文武への譲位・
王族五百重娘との婚姻・娘宮子の入内・
孫聖武の即位・聖武と娘光明子の婚姻・
藤原姓の独占・・etc..etc....



血筋はどうであれ、
これだけのウルトラE難度の離れ技、
そうそうこなせるもんじゃない。



頭がキレただけでなく、努力、忍耐、人間性、全てに優れ信頼を得たのだ。



大宝律令、平城遷都、国史編纂等政策的にも数々の功績を残す。



根回しに次ぐ根回しの大胆・緻密は、
完全に鎌足譲りに見えるけどね。。