阿闍梨【外伝】一隅を照らす

❖平和を祈る

引用 天台宗公式サイト 法話集




 

平和を祈る


 今年も8月比叡山宗教サミット「世界平和の祈りの集い」が比叡山で開催されました。


 1987年から始められて以来36年、仏教やキリスト教、イスラム教など多くの宗教代表者が平和の祈りを捧げられました。


 しかし世界を見渡すと各地で戦争やテロなどの戦闘行為、気候変動による自然災害が多発するなど私たちの環境は厳しさを増しているように感じます。


 このような時こそ改めて私達一人一人が神仏のお力を信じ「祈る」ことが大切ではないでしょうか。


 この「祈る」という文字の語源を調べると「斎(い)告(の)る」とあります。※諸説あり。

 「斎」の「い」とは神聖なものに向かい身心を清めることを指し「告る」の「のる」とは告げる、宣言するという意味です。意味を調べると①神や仏に祈る②心から望む。希望する。念ずる。とあります。


 さらに漢字で「祈」の成り立ちを調べると左の「示」「しめすへん」は神仏にお供えを捧げる台、神仏を祀る祭壇を表します。右の「斤」は距離や時間を小さくする「近」にも通じ、神仏に祈ることで幸福に近づくことを願う姿を意味しています。


 天台宗でお唱えする『法華経』の「観音経」には「念彼観音力」と観音様を心に念じ祈ることで、私たちを火難、水難などの災難からお救いくださると説かれています。


 観音様をはじめ、すべての仏様はいつも私たちの迷いや苦しみ、怒りの原因を取り除き、私たちを安心へとお導き、寄り添ってくださっています。


 仏様に思いを馳せること、謙虚な心で相手をおもいやること、それが平和への第一歩だと思います。


 仏様に改めて感謝すると共に、仏様の教えを胸に刻み、世界の皆様が平和で安心を取り戻せますように、世界が平和の境地になりますように祈ります。合掌



(文・弘行寺住職 片岡 俊陽)


掲載日:2023年11月01日

https://www.tendai.or.jp/houwashuu/kiji.php?nid=257




天台の行と祈り-

御霊安らかなれ=広島に誓う世界平和=


 広島市平和記念公園で、七月十四日に「天台の行と祈り」が執り行われた。同日は比叡山の千日回峰行者として知られる酒井雄哉大阿闍梨が講演し、午後からは天台座主代理の森川宏映毘沙門堂探題大僧正が大導師となり、採灯護摩の「戦没者慰霊・世界平和の祈り」が修された。参加した千五百人の人々は、天台僧百名と共に慰霊と平和の祈りを捧げた。


酒井雄哉大阿闍梨



 「天台の行と祈り」は、天台宗寺院が少ない地域に、天台宗や比叡山をアピールする特別布教のひとつとして企画された。天台宗開宗千二百年慶讃大法会記念事業の一環でもある。講演で酒井師は、千日回峰行の厳しさと、行者の決意を語った。また、採灯護摩供は、今年は被爆・終戦六十年を迎えるところから、七万柱の遺骨が眠る原爆供養塔前広場を会場に森川大導師のもとに、酒井大先達はじめ北嶺回峰行者、天台修験者多数が出仕して厳修された。  森川大導師は、採灯護摩供による「祈り」を修するにあたり、天台座主猊下の願文を奏上した。


 その中で、広島原爆投下六十年の区切りを迎えたことに対して「極楽天上の諸尊霊の鎮魂に丹精を凝らす」とし「その被災を微塵たりとも忘ることなく過去を顧み、ますます愛情と慈しみに充満したる日常の営みに、人為の限りを尽くさんとする」と述べた。

 広島県で、これほど大規模な天台宗の行と祈りが行われるのは、今回が初めて。


引用 天台ジャーナル第29号  2005/08/01発行



戦没者慰霊・世界平和の祈り

開宗1200年慶讃大法会記念特別事業

今年も広島で祈念法要厳修


 七月十四日、広島平和記念公園において開宗千二百年慶讃大法会「戦歿者慰霊・世界平和の祈り」法華経読誦法要が、酒井雄哉大阿闍梨を導師として執り行われた(写真下)。

 昨年に厳修された「戦歿者慰霊・世界平和の祈り」採灯護摩供法要の後を受け、本年も開宗千二百年慶讃大法会記念事業として営まれた。


酒井雄哉大阿闍梨


 同日の法要は午後二時より、広島平和記念公園の原爆供養塔前を会場として行われた。七月半ばとはいえ、梅雨空そのままのどんよりとした空模様であったが、地元広島を始め、近県などから多数の随喜者が参集。酒井大阿闍梨の下、原爆犠牲者七万人の遺骨が眠る供養塔前で、原爆犠牲者・第二次世界大戦での犠牲者の鎮魂と世界平和への祈りを捧げた。


 酒井大阿闍梨は法要にあたり「平和記念公園、原爆犠牲者供養塔の浄域において、天台宗の開宗千二百年を慶讃し、第二回の『戦者慰霊・世界平和の祈り』の法会を修し奉る」との言葉を捧げ、「極楽天上の諸尊霊の鎮魂に丹誠を凝らし、敢えてその被災を微塵たりとも忘ることなく」と戦争犠牲者を追悼すると共に、この地球上に一日も早く、恒久的な平和が訪れることを随喜者共々、祈念した。また、法要終了時には、酒井大阿闍梨より随喜者一人ひとりにお加持が行われた。


 同法要は、天台宗の寺院も少なく、天台宗の教えに接することがあまりない、沖縄、鹿児島、広島の三県を重点的に布教しようと、開宗千二百年を機に企画された「三県特別布教」の一環として営まれた。また、世界で唯一の被爆国日本の原爆投下の地、広島において、世界平和を希求し、祈念する法要を営むことは、宗教サミットの開催など宗教の垣根を越えて平和を求める運動を続けている天台宗にとっても、大きな意義を持つものである。


天台ジャーナル第41号 2006/08/01発行


◇国祷会

 

根本中堂にて国祷会が奉修され、玉体安穏、世界平和を祈願いたしました。猛暑が続いています、お身体にお気をつけて、お過ごしください。


天台宗公式サイトから