北向観音から善光寺・長野4


阿弥陀様との結縁を願う庶民の大寺「善光寺」





「内陣からさらに奥の位置が内々陣となります。通常は、住職がお経をあげる場所で法要などの際には参拝者の方もこちらに入る場合もあります。向かって左手にあるのが、御本尊がいらっしやる瑠璃檀。右側には大きな神鏡がありますが、明治以前の神仏習合の信仰形態が今でも善光寺には残っていますので、神鏡もお祀りしています。神鏡の奥にお祀りされているのが、三体のご神体で、善光寺を開いた本田善光が中央に、右側には奥様の弥生御前、左側には息子の善佐卿 (よしすけきょう)が安置されています。なぜ仏様とその開創した人物が同じ場所に祀られているかと言いますと、もともと善光寺というのは、お寺ではなくて善光公の住居に、御本尊を運んだことから始まっています。善光寺の本堂というのは、今もなお善光さんのお家として居間 があって仏間があるというイメージをしていただくといいかと思います。


善光寺の縁起では、善光公の家の西側の庇の下に仏様を安置したとされています。その後、お堂を建てても庇の場所に戻ってしまうという逸話がありますので、御本尊は善光公の家の西側に位置するようにしています。内々陣の右手奥には瑠璃檀の床下を巡る『お戒壇巡り』という信仰もあります。御本尊は絶対秘仏ということもあり、なかなか見ることがかないません。そこでお厨子の置かれた瑠璃檀の床下の回廊をめぐり極楽の錠前に触れることで、仏様とのご縁が結ばれ、極楽に行けることが約束されます。回廊は真っ暗ですので、どこに極楽の錠前があるかわかりません。ですので、『お戒壇巡り』をされた後に、『錠前に触れることができなかったので地獄に行くので すか」と聞かれますが、触ることができなくてもいいのです。


でも触ること、握ることを通して私たちは、仏様とのつながりを感じられるのだと思います。仏様は目に見えなくても心の中にいらっしゃいますよね。仏様に触れることで極楽行きの証拠を得て安心したいという信仰なのでしょう。善光寺の御本尊は一光三尊阿弥陀如来ですので、いつか自分も極楽に行きたいという信仰、さらにはご先祖様のご供養の両方が善光寺参りだと言われてい ます。ぜひ、極楽の錠前に触ってみてください。」



引用

伝教大師最澄1200年魅力交流コミュニケーションサイト 「いろり」