腰痛の経験から… | Aussie Physio (オーストラリアの理学療法)

Aussie Physio (オーストラリアの理学療法)

日本で理学療法士として働いた後

オーストラリアでPhysiotherapist (理学療法士)になるために渡豪

そんな日々の中での気づき

おとといの夜、腰痛になりました。


最近は仕事が少し忙しくて、患者さんのモビライゼーション、マッサージなど自分の体に少し無理がたかったのかもしれません。


数日前から左の腰部に違和感はあったのですが、ストレッチをしながらなんとかしのいでいました。おとといの午後の治療を行っている際に、かなり体格のいい患者さんの腰痛を治療している際に、自分の腰にもぴりっとしたものを感じました。


その時はそこまでシビアではなかったのですが、その夜になってどんなポジションをとっても腰の違和感/筋のこわばりがとれませんでした。


ストレッチをしてもなかなかこの深部にある固さがとれず、結局はシェアメイトのK君にDry needlingの方法を教えて針をうってもらいました。


Dry needlingの即時効果は本当に有効で、次の日には少し固さは残っていたものの普通に仕事もこなせました。



今回の腰痛の経験を通じて感じたことは、

-Muscle spasm:ようは筋の過剰な収縮が、どんなにリラックスしようとしても腰部筋で起こっており、それが徐々に臀部、股関節の方へ広がるようにmuscle spasm がおこりました。

-Achy pain:患者さんはよく、うずくような痛みが股関節、臀部にあると言ってきます。これらがどのような感じで、上記に述べたように起こったのか身をもって体験することができました。


自分がこれらのことから経験したのは、急性腰痛の患者さんで、臀部や大腿部、下腿部などへの放散痛らしきものを訴えている場合、必ずしもそれは放散痛のみによる問題 = 近位部のみの問題として腰部に対して治療を行うだけではなく、局所の問題(たとえば、下腿部にうずくような痛みがあるといっても、それはその部位の筋スパズムによる可能性もありうる)に対しても念入りに評価して介入を行うことで、治療の幅を広げることができると思いました。


また、痛みがある場合にどのような動作(例えば立ち上がる、寝返りをうつ、歩く、なにかを地面から拾うなど)を行うとしても、痛みがある場合には動作のパターンがそれを予測した動き方になっていました。


ようは痛みがでないように体が自動的に最も効率のいい動き方をその場で提供してくれていたのですが、このような動き方を例えば一週間続けたとしたら、本当に自分のモーターパターン(動作パターン)は普段と全く別のものになってしまいます。


慢性腰痛の患者さんなどが、明らかにアブノーマルな運動/動作パターンを提示している理由が身をもって経験できました。本当に大事だなと思ったことは、いかに早い段階で、痛みのない状態での正常な動作を経験させてあげることができるか、だと思います。


先ほど述べたように、自分が痛みを経験しているときは、体の動き方が本当にぎこちなくなります。いかにも痛みがくることを予測した動き方、それがさらに筋のこわばりを助長していました。


これらを改善し、正常な動作促してあげることがよりよいアウトカムに繋がると身をもって体験しました。本当は、治療しないでそのままにしておいて、慢性腰痛がどんな体験なのか気になりましたが、次の日仕事があったので速攻治療しました。



みなさんも腰痛にはお気をつけ下さい。