ナポリ人ご夫妻の娘さんは17歳の時に
突然、頻繁に転ぶようになって
筋萎縮症が発見された。
R女史に似て美人でスタイルも良く
大学は法学部を希望して
将来は弁護士になるんだ、と言っていた。
C氏とR女史の希望の星でしかなかった娘さんが
想像すらしていなかった病に襲われ
しかも、その病は進行性で
治る見込みのない種類のものだなんて…。
どうやったら、その現実を受け入れられるだろう??
私達が7年前、夕食に呼ばれた時
娘さんは、転ばないように壁や椅子に捕まりながら
ゆっくりと、それでも歩けていた。
ステキな彼氏もいたのだけれど
彼女が、発病後、2年経つと
別れを言い渡された。
若いカップルには
あまりにも残酷な選択だろう。
あなたは、まだ結婚していない
最愛のパートナーが
治る見込みのない病に襲われたら
その人と一生添い遂げる覚悟が出来るだろうか??
彼女はその後、4年間も哀しみから抜け出せずにいた。
私は、娘さんがC氏の職場によく遊びに来ていたので
たまに顔を合わせていたけれど
華やかな容姿だからこそ、見る度に残念さが込み上げた。
彼女は、大学で法学部に入学し
猛烈に勉強に明け暮れた。
そして彼女は、
完全に車椅子生活を送るようになっていた。
つづく