いつも思うけれど、
在宅緩和ケアの医師は
イタリア人とは思えないくらい物静かな男性だ。
本日の話題は、お食事中の方は、また後でね♪
義姉があまりに調子が「悪くならないので」
この医師は、暫く我が家を訪問してくれなかった
他に、もっと彼が必要な患者さんが
沢山いるのだろう。
だけど、今回は義姉がモロッコに発てるのか聞くために
私が電話して金曜日に来てもらえるよう、予約しておいた。
家の掃除が終わった頃
義姉ががしたいと呼ぶので
差し込み式おまるを運ぶ。
私はもはや、この作業をロボットの様に
一切感情のブレなしで淡々とこなす。
消臭スプレーを振りまいて
便の状態はバロメーターとして観察する。
それがね、奥様
こんなこと、話題にしたくないんだけど
バナナ状の、非常に健康的なブツを出したのよ
そして私が新しいオムツの装着を終えたところで
家の呼び鈴が鳴るじゃないの
ドクター、何も臭い時に来なくても!
更にデオドラントを振りまいてドアを開けた。
ドクターにはサロンで座って待ってもらって
私は手を洗って、義姉の部屋を整えてから
ドクターと対面で座った。
「お義姉さんはいかがですか?」
微熱が続いていますが、元気です。
3食、しっかり食べていますし
ついさっきは、超健康そうなバナナ状のブツを排出しまして
「ハハハ、そうですか。」
ところで、先生、相談なのですが
現在ラマダン期間中でして、義姉がモロッコに帰りたいと
ブーイングの嵐でしてね。
そして周りのモロッコ人達も
最期はモロッコに帰してやれとのことで....。
帰国するのであれば今だと思うのですが
先生はどう思われますか??
「そうですか。もし帰りたいのでしたら
本当に今のうちですよ。
僕もお姉さんの年齢を考えても
彼女の希望を叶えてあげるのが宜しいかと思います」
アッサリ、OK出たよ
そうですか!義姉は喜ぶと思います。
ところで、モルヒネ他、薬品類をお返しします。
「いえいえ、置いておいて良いですよ。
何事も起こらないと思うけれど
お義姉さんが最期を迎えたら、僕が取りにきます。
近所に住んでいるのでね。」
薬品類は持って行っちゃいけないんですよね?
「ダメです。」
何で、持ってかえらないんだろ?
「では、お義姉さんを見に行ってみますね。
足の浮腫もないし、黄疸も出ていないし、大丈夫ですね!」
そして、静かな医師は
私に最後に挨拶して出て行った。
やった、やった、許可が出た
なんかドクター、嬉しそうだったんだよね。
1人、厄介な患者が減ったからかな?
薬持って帰らなかったのは、
亡くなるまでが彼の契約期間だからかな?
また義姉がホスピス入ったりしたら
彼女は障害者だから無料で入れるけれど
国にお金が掛かるのだから、節約できるから良いのかな??
ま、いっか。
取り敢えず、義姉がここまで元気でいてくれて
なんと!癌になってまでも飛行機に乗る気力がある
アッパレな身体、すごいよね
こうなったら、モロッコ到着まで
気合いを入れて元気でいてね〜