義姉をモロッコに連れて行くですって?
そう、色んな人の意見を聞いたら
最期はモロッコに連れて行ってやれって
みんな言うんだ。
今、ラマダン中だからモロッコに連れていけ!って
大騒ぎしているけどね。
それより、何より、最期の瞬間に
「なんで息子と一緒に過ごさせてくれなかったのか?」
って言われるのが怖いと思ったんだよね。
あぁ、ヤツの恨みは来世まで続くからね
僕達は苦しみを緩和させたくて
送りたくないと思ったけれど
結局は彼女の人生だからね。
もしかして、緩和ケアとか先進医療を盾に
国に帰らせないのは、私達のエゴだったのかもね。
彼女は以前からモロッコで最期を迎えることを望んでいたもんね。
だけど、在宅緩和ケアの医師が何て言うかしらね?
初日からモルヒネ持ってきて待機しているのにね。
そんな、一番最初に彼女が国に帰りたいと望んでいるのか?って
聞いていたじゃん。
最期をどこで迎えるかは彼女の意思で決めるもので
医者がどうこう言う筋合いはないだろう。
昼も夜も最近よく食べているしね
連れて行くんだったら体力ある今のうちだね。
1夜で容態が急変することもあるからね。
では、君は医師がきたら話しておいて。
僕はその間、モロッコに一緒に行ってくれる人を探すから。
こんな感じで、大部分のモロッコ人は
自分の土地で墓に入ることを望む。
私は自分の肉体の抜け殻に未練も思い入れもないから
別にここで最期を迎えたら、ここで墓に入っても
良いと思っているけれどね〜。
彼らは違うのだ。
先日、最期は身寄りが無いまま施設で亡くなったモロッコ人がいた。
彼は、棺のまま遺体安置室に2週間。
その間、モスクのみんなに寄付を募って
祖国の土地に埋葬するため
棺のままモロッコに航空便貨物で送るのだ。
このように航空便で遺体を送る送料と
イタリアで墓に入るための費用は、ほぼ一緒らしい。
それなら、彼らはやはり、モロッコの土地に眠りたいのだ。
日本人は火葬しちゃうからねー。
分骨もできるけどな
モロッコ人は土葬だからねー。
だから、私が夫よりも早く死んだら
彼の手で土葬されてしまうそうだ
彼らの文化的に火葬とか、あり得ねないから
生まれたままの姿で土に還るのが
よしとされている文化だからね。
つまり、義姉がモロッコに元気なうちに辿り着くことが出来れば
あとのハードルは「肉体的な痛み」のみ、ということね。
それは、息子と一緒にいる代償として仕方ないのかな?
彼女の望みであれば、それで良いのかな?
お望みのモロッコに来たのに
痛みの時を迎えて
「なんでイタリアに残しておいてくれなかったんだ!?」
とは言わないだろうしね.....←言ったりして怖〜