イタリアの家はサイコー
網戸が無い家が殆ど
俺は入りたい放題
俺は、蚊
アルノ川のほとりで生まれた
このドブ川で
人間達はカヌーを楽しんでいる
イタリア人はサイコー
俺がいくら血を吸っても
殆ど反応しないから刺したい放題
それに比べて日本人は
俺避けスプレーやら
痒み止め、ラナケインやら
用意周到で、俺の存在を毛嫌いする
網戸は無い家が多いが
最近炊かれている俺避け液体リキッドには参る
速攻ラリってイチコロだ
昔は良かった
俺取り線香がテラスで炊かれたり
シトロネッラという黄色い香り付き蝋燭を炊いたり
それくらいの汚臭であれば、へのかっぱ
家の中までスルーできる
最近は電気ショックで生涯を終える仲間も増えてきた
俺採りラケットだ
しつこいハエ君達もラケット振り回されている
人間はまるでテニスをするように
ラケットを振りまわし、そこには電流が流れていて
万が一接触したら火花が散ってイチコロだ
全く、俺たちの短い生涯を
さらに短くしようと
人間達は、あの手この手で攻めてくる
俺たちイタリア生まれは
茶色くて、イマイチ行動が鈍いが
日本の白黒シマシマ族は
動きが非常に鋭敏で血を吸うチカラも半端ないらしい
いいなー、日本！
今や亜熱帯の楽園
湿度90%、イェイ
俺もいつか、日本にバカンスに行って
思い切り羽伸ばして日本人の甘い血を思う存分吸ってみたい
アルノみたいなドブ川ではなく
美しい田園地帯で子孫繁栄できたらサイコー
次に生まれ変わったら
絶対に日本で白黒シマシマ族に生まれて
今世よりも精力的に鋭敏に動いて
女の子にチヤホヤされながら吸血パーティーしたいな
（未だ蚊だらけのフィレンツェより）