犠牲祭のトラウマ | イタリアでモロッコごはん

イタリアでモロッコごはん

イタリア在住 リツコがモロッコ人と結婚を決めた途端、介護同居生活が始まり今に至るドタバタと、美味しいモロッコ&地中海料理について語ります♪

私の犠牲祭に対するトラウマはぬぐい切れない。

犠牲祭とはカトリックで言うイースターで

復活祭でも羊を食べる。

 

イタリアでイスラムの犠牲祭を初めて見たのは

夫と知り合って結婚1年目。

 

 

夫の友人宅にお呼ばれし

家に入って行くと

ものすごい煙の中、炭火焼き大会が行われていた。

 

 

炭火焼きって、家の中でもするもの??

 

そこは郊外だったけれど

テラスがないので

窓を全開にして窓際で炭火焼きをしていたのだ。

 

 

とにかく、モロッコ人は

犠牲祭に命をかけているので

きちんとイタリアでも羊一頭買って

捌いてもらって、各部位を然るべき調理法で

黙々と調理していくのだ。

 

 

 

その日は昨夜我が家で牛肉の串刺しを食べたように

羊肉の串刺しの炭火焼きを頂いた。

 

 

スパイスとマリネされたお肉は美味しいけれど

私は煙に巻かれて目がチカチカして

早くその場を立ち去りたいという気持ちでいっぱいだった。

 

 

 

夫もそれほど羊肉が好きではないし

義姉は一切羊肉は食べないので

それ以来、犠牲祭は静かに家で

私達だけで牛肉の串刺しで済ませていた。

 

 

 

昨日羊のレバーの串刺し炭火焼きを

持ってきてくれた階下のモロッコ人は

今朝モロッコに旅立って行った。

 

 

なんと、モロッコは10日の今日が犠牲祭なのに

彼女はそれを知らずに相当前から

飛行機のチケットを買っていたので

モロッコで一番盛り上がる

犠牲祭当日の朝を逃しながら

今夜モロッコに着くことになってしまったらしい。

 

 

モロッコで一番盛り上がるお祭りは犠牲祭とラマダンだ。

 

特に犠牲祭2週間前には

羊が各地からドナドナされてきて

羊売りが近所の人に羊を売っては番号を振っていく。

 

 

そして犠牲祭当日までその羊ホテルで

羊は餌を与えられながら過ごすのだ。

 

 

毎年その羊ホテルがオープンすると

5つ星、WIFI 付きと書かれた段ボール紙が掲げられる爆  笑

と言っても、ただの倉庫に羊がウヨウヨいるだけだ。

 

 

 

子供達は動物園のようにその羊を見にいき

うちの子はあの子だ、とかみんなとワイワイ盛り上がる。

 

大人達は、うちの子は「あの大きい立派な羊だニヤニヤ」と

アホな義姉のドラ息子などは、大きさと見かけを誇りに自慢する。

 

どうせ屠って食べてしまうのに。

小さな世界での見栄っ張り振りが笑える。






 

 

 

お金持ちのB氏などは

そんな連れて来られたドナドナ羊ではなく

田舎の羊飼いから、もっと立派なのを直接買いつける。

 

 

確かに、ドナドナ羊とは全く違う

威厳と風格のある羊である。

 

 

夫がいないモロッコで過ごしていた夏、

私達は羊は要らないと言ったのに

B氏の家で過ごしていたら、我が家の分まで

羊を買ってくれてしまった。

 

 

つまり、その日は3頭羊がテラスで待機していた。

 

B氏は、どうだ?素晴らしい羊だろう??

と誇り高そうだった。

↑結局みんな、羊の背比べやってるよね爆  笑

 

 

だから、要らないって言っているのに....

とか思いながら、一頭3万円ほどする羊を

私はボーッと眺めた。

 

 

お金持ちなのは、解る。

うち名義の羊一頭が、明日屠られることに

私は、その必要はないと言っているのだ。

 

 

別に私は立派な羊を買ってもらっても喜ばないし

羊を大喜びで食べる人種でもないのだから。

 

 

こうして羊を買うか?買わないか?

世間体を気にするのはスゴイ日本人と似ているし

見栄っ張りなところはロシア人にも似ているモロッコ人である真顔

 

 

縦線の入った羊のアンニュイな目を見て

ところ変われば、色んな文化が待っていて

羊も大変だなぁ〜と思った凝視

 

 

 

 

つづく