イタリアで落とし物が戻ってこないのは… | 私のイタリア時間

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イタリアに住みはじめて、20年もの月日が経ちました。
イタリアでの何気ない日々。流れる時間の中で起こる、ふとした出来事や思い。
このブログでは、そんな日常を1枚の写真と共に書き綴っています。



2024/2/20


穏やかな朝




オリーブ畑からの帰り道でバールに立ち寄った時、道端に落ちていたカードを見つけた。よく見るとそれは、誰かのイタリアの健康保険証だった。どうしようか…と考える。イタリア版マイナンバーが表記されているカード。無くした時の手続きには、盗難届が必要だろうし、色々と面倒くさいだろうな…と落とした相手を案ずる。やはり警察署に届けた方が良かろうと、わざわざ、出向いたのだった。こういう時、日本なら交番があるけれど、イタリアのそれは分かりにくい。ましてや、田舎の警察、正直、分かりかねる。近くのお店に届けようか迷ったけれど、届けられた方も迷惑だろうと思った。田舎の警察署、ネットでは開いているはずの時間。出向くと、表の看板は16:00までとなっていて、とっくに閉まっていた。呼び鈴を押したら、誰か出てくるだろうか…と思いブザーを鳴らすと、それはなぜか、電話みたいに隣町の警察のパトカーに繋がったみたいだった。「あの…落とし物を拾ったのですが…」言いかけた途端、ブチっと切られた。稀にお問い合わせセンターみたいなところに電話をかけるとブチっと切られる時があるけれど、警察にもそうされるとは思わなかった。ああ、イタリアよ。これがもし、もっと重要な何かの事件だったら、それでもこんなふうに、ブチっと切ってしまうのだろうか。いずれにしても、こんなところは来るもんじゃあない。拾ったカードは、警察署のドアの下にそっと置いてきた。出来れば、本人のもとに戻って欲しいと思うけど、それもきっと、怪しい。落とし物や忘れ物が戻ってこないのには、こういうこともあるんだな…と思った一件だった。









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