Parisで得た学び | アラサー女子の沖縄生活★

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~ 島人気まぐれ日記~

Paris Study Tourで3つの国際機関に訪れたのですが、その中でも特に心に残った大きな学びについて書きます。

11月26日(木)

UNESCO International Institute for Education Planning(IIEP)を訪問しました。

その中で、世界のHIV感染率とその対策についての話がありました。

世界のHIV感染率の状況はこちら。(HIV感染率(WHO 2013))


トップ10がサハラ以南アフリカに集中していることがよく分かります。

真っ赤になっているのがその地域です↑

で、初めて知ったことは、

このような状況を改善するために、これらのアフリカの国々では教員に対する「HIVやAIDSに関する教育」に力を入れているということ。

そして、小学校の1年生から教科として「HIVやAIDSに対する感染症対策教育」がなされているということ。
※つまり、教員がその知識を持っていなければならない。

で、IIEPが小学校6年生およびその教員に対して「HIVおよびAIDSに関するテスト(調査)」をしたところ…

6年間、感染症対策教育を受けたはずの児童のスコアはかなり低く、知識が身に付いているとは言い難い結果だったのです。反対に、教員側のスコアはかなり高く、教員にはきちんと知識があることが分かりました。

そこであるコースメイトが、

「教員に知識があるにも関わらず、児童の結果(スコア=学力)に結び付いていないのは、教員の教え方(指導方)に問題があるのか?」

と質問しました。私も同じことを考えていたのです。

すると、

「教え方の問題ではない。単に、内容が非常にsensitiveで、なかなか思うように伝えられないからだ。」

と返ってきました。

それまでの私は、児童の学力が低いのは教員の指導力に帰すると考えていたのですが、この返答に自分の考えを改めさせられました。

何故ならどんなに教員に知識や技術があっても、それが児童の学力に結び付くとは限らないと分かったからです。

例えば今回のようにHIVやAIDSなど、そもそもオープンに話したくない内容だったり、タブーとみなされている内容だったりすると、教員の指導力とは関係のない部分が児童の学力に影響を及ぼしているわけです。

たしかに、自分が教員だった頃のことを思い出し、最後に受け持った2年生の子どもたちにHIVやAIDSの話ができるか自分に問いかけたところ…

HIVの感染経路の話をしなければならないことや児童の発達段階などを考えた結果、教えるのは難しいな…と思ってしまいました。※こちら側の指導力の問題ではない。

「教員の指導力が児童の学力に結び付かないことがある。」

シンプルで当たり前のようなことですが、私にとって今まで欠けていた視点だったので、大きな学びとなりました。

それにしても…小学校1年生からこのようなHIVやAIDSの感染症対策教育をしているとは…。日本の先生方はどうでしょう?やれと言われたらするしかありませんが、戸惑いも多いような気がします。

何か1つでも学びがあったなら、Parisに行ったかいがあったと思います。

今日はこの辺で。