最後の退院
前回
主治医の話の後
3日ほど退院した
このご時世で
外泊と言えないらしい
前回の退院の日
皆でランチをして
家に帰ったら熱が出た
薬を飲んでも上がっていった
38.2 39.2
39度を超えたら病院に帰っておいでと言われた
と、母が寂しく言った
病院に電話した
担当医が
動けなくなってもうダメだとなったら
救急外来に来てください
とのこと
それを聞いて
嬉しそうな母
10分おきくらいに熱を測る
そんなに変わんないよ
と、言ったが
熱が下がっていった
次の日は熱が出なかった
ただ、4時間おきに
アセトアミノフェンは飲んでいる
病院に戻り
検査をしたら
悪い値が増えていないので
また、週末帰れるよ
と、連絡がきた
今日
病院に迎えに行った
これが最後の退院だって
?????
もう家にいるのが辛い
ダメだとなるまで
家にいていいって
?????
先生もいつどうなるかわからないって
………
確かに
確かに主治医の先生はそう言っていた
泣いたし覚悟もしていたはず
なのに
また辛くなった
まだまだ元気そう
でも
下唇は大きく腫れ黒く固まり
カビが生えたようになっている
食べたいものはあっても
一口二口は美味しいと感じるが
その先は
飽きるらしく食べられない
長くはない
頭の中ではわかっているのに
気持ちが追いつかない
明日どうなるかもわからない命
私と旦那の両親の中で
一番若くて元気だった母が
先に逝くなんて
信じたくない
信じられない
でも それが現実
家に帰ってきてから
アイスノンが欲しいとLINE
熱が出たか…
前回も退院の日、出たからな
疲れるんだな
でも
前回よりも不安…
母の物を
妹と3人で楽しく話をした
この服は私
これは妹
似合うー笑笑笑
あー楽しかった
そんな楽しい時間が
終わりを迎える
母がいなくなった後
どうなってしまうのだろう
時間はいつもと変わらずに流れていく
最後の退院
もう少し楽しもうね
母と過ごせるのはあと少しなのかな
母の主治医に呼ばれた
骨髄が弱ってしまっていて
白血球を作り出せない
つまり
このまま生き続けるのは
もう、難しい
奇跡はもう、ないと…
一旦
息子のところに戻り
しばらく息子の面倒をみてから
戻ろうと
マンションに戻った日の夜に
明日、先生から話がある
覚悟してきてね
と、母からの連絡が
妹のところに来た
何を持って帰ればいいのか
頭が働かないまま特急に乗り
家に戻った
そして
その話だった
今後、体の動くうちに
やれることをやった方がいいだろう
とのこと
私としては
家で最期を迎えさせてあげたいが
父のこと 叔母のことがあり
母もそれが気がかりで
家で最期を迎えることはできないと言った
いつ高熱が出て
動けなくなるかわからないのも不安だから
入院 退院を繰り返していくことにした
それを決めてから
また、マンションへ戻り
犬たちを連れて帰ってきた
犬たちのお手入れの予約ができない
避妊手術どうしよう
肛門腺も溜まっちゃう
色々なことが頭の中を駆け巡り
自分がどこにいて何をどうすればよいのか
わからなくて
ただただ涙が流れる
情けない
こんなことではいけない
でも
身体も動かない
調子も悪い
頭を空っぽにして
プライオリティをはっきりさせなきゃ
そんな時に流れてきた
中島みゆきさんの
ファイトという曲
わんこたちを抱きしめて泣いたら
少し落ち着いた
明日
母を迎えに病院へ行く
しっかりしなきゃ
良くならない母 このままでいいのかな…
母の食べたいものを
病院に届けている
しかし
会うたびに
弱っているように感じる
唇を見せてもらったが
大きく腫れ上がり
黒くなっている
壊死なのか、かさぶたなのか…
今日は熱もある
ヘルペスから来ているらしい
同じ病棟で入院している人が
どんどん退院していて寂しい
頑張るしかないね
ありがとう
弱々しい声
このままでいいのだろうか
母の望んだ延命治療
母は
いや、私も
想像していたものとは
違っていたと思う
苦しい治療して
治らないけど
家に帰って過ごす日を
もう少し欲しかったはず
その日が来るのか
母の様子を見ると
不安でしかない
セカンドオピニオンとか
何か動いた方がいいのかな
母の弱々しい姿を見ると
自分の感情も引っ張られてしまう
辛い
辛いね
退院する日を信じてあげなきゃね
