おはようございます
今日は、ヴァイオリンケースについてお話します
数年前、国内線の飛行機への手荷物持ち込みサイズが厳しくなり、演奏家は死活問題で頭を抱えました
「3辺の合計が115cm以内」
これが、航空会社が定めた無料での機内持ち込み可能なサイズ。
さてここでクイズです
下に、4つのヴァイオリンケースがあります。
どのケースが持ち込み可能なサイズでしょうか?
正解は…………
一番右の、青いケースのみなんです
航空会社やカウンター係員によっては、数センチのオーバーは目をつぶってくれ、右3つはそのまま乗せてもらえる事もあります。
が、それは運次第。
正式にOKなのは、青いケースのみ。
では具体的に、ケースによって中がどうなっているのかを見ていきましょう
【メーカー名 : GEWA】
型 : イデア1.8
弓は4本収納でき、小物入れも大きく便利。
肩当て専用のスペースもあるし、かなりゆとりを持って設計されているので、サイズが大きめの楽器でも心配なく入れられます。
楽器ケースにいろいろと物を収納したい人にオススメ!
カーボン製・1.8kg
左から2番目のケース。
【メーカー名 : Super Light】
弓は2本収納でき、内部もゆとりがあります。
私が持っているのはかなり旧型のデザインなので、多少の変更は出ているかもしれませんが、軽いのが強み。
欠点は、発泡スチロールで出来ていること。
満員電車で他の乗客の傘が刺さり、楽器にまで貫通してしまったという友人がいます……
ポリエチレン製・1.6kg右から2番目のケース。
【メーカー名 : bam】
型 : ハイテックフォルム
弓は2本収納可。
他のケースと見比べると分かるように、このケースは弓先が下に来ます。
また、ケースの蓋が180°開ききってしまうため、使いにくい事もあります。
楽器店によっては、90°で止まるようにストッパーを取り付けてくれる所もあります。
丈夫だしスタイリッシュだしとても人気がありますが、フランス製なので修理ができず、昨年部品が壊れた時には「買い換えるしかない」と言われ……先日粗大ゴミに出しました
8年使い、バックルがバカになってしまいました。。
カーボン製・1.6kg
1番右のケース。
【メーカー名 : 東洋楽器】
型 : プリュームABSヴィオ
唯一、機内持ち込みOKとされているケース。
ケースが大きくてNGが出た場合、航空会社から貸し出されるのがこのケースです。
弓は2本収納可能ですが、とにかく必要最低限までスペースが削られているので、ギリッギリ。
楽器本体も、大きめのサイズの楽器は入らない可能性もありますね。
肩当ても、少しゴツいのだと入りません。
しかし、バックルが3箇所ついていて、誤って開いてしまうという心配はありません。
ABS素材・1.85kg
………
参考になったでしょうか?
ケースは決して安いものではありません。
それぞれのケースにメリットとデメリットがありますし、どうしても大きいケースしか持ちたくなかったら、飛行機に乗る時には、AB券という楽器用の席を1万円で確保すれば良いのです。
頻繁に飛行機に乗るのでなければ、ケースを買うよりも、AB券購入の方が安いかも
ちなみに今オーケストラで徳島に来ていますが、ヴァイオリンケース2つで1席のAB券でした。
(私は機内持ち込みOKのケースなので上の荷物入れに収納できるのですが、せっかくAB券をとってくださっていたので座らせてみました)