ウィスキーがお好きでしょ〜2人の再出発のスコッチ・オレ | Yukoのリズム...リズム...音は全てリズムでミュージックを奏でてる!

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十人十色。
我思うままに、徒然なるままに…クラッシックから邦楽まで音が奏でるものは何でも好き。雨音だってリズムを奏でてる…って感じで、様々な曲を中心にブログ投稿しています。


5月8日 琥珀こはくの日。
5月8日はくで、琥珀の日。
太古の樹木の樹液が地中に埋もれて化石化してできた植物由来の宝石琥珀。
中に虫などが入り込んだまま化石化したものもあり、神秘的な琥珀。
この独特な色合いを琥珀色、アンバーカラーなどとも呼んでいる。



琥珀色といえば。

ウィスキーがお好きでしょ

石川さゆりさんが歌われ、1990年にサントリーのウィスキーのCMで流れました。
1991年にリリースされ、その後もサントリーのCMで流れておなじみです。

しっとりとしたジャズ調、SAYURIさんの歌声が印象に残るアダルトな曲。


♪ウィスキーがお好きでしょ
 もう少ししゃべりましょ ありふれた話でしょ
 それでいいの今は

 気まぐれな星占い(占い)が2人をめぐり合わせ
 消えた恋閉じ込めたびんを開けさせたの

 ウィスキーがお好きでしょ
 この店が似合うでしょ
 あなたは忘れたでしょ 愛し合ったことも

 ウィスキーがお好きでしょ
 もう少ししゃべりましょ ありふれた話でしょ
 それでいいの今は




ウィスキーがお好きでしょ
もう少ししゃべりましょ

カランカランとグラスの中に置かれる氷の音。
トクトクトクッとウィスキーが注がれる。



気まぐれな星占いが2人をめぐりあわせ
消えた恋閉じ込めたびんを開けさせたの

カウンターに座るあなたと私。

......「琥珀は太古の昔を閉じ込めた宝石。僕たちの愛も光り輝きながら永遠に」......

「あなたがくださった琥珀、今でも大切に持ってるの」
女性が、目の前のウィスキーが注がれたグラスを見つめながら話す。

「!.......」
あわてて口にしたウィスキーをゴクリと呑み込む男性。グラスを手にしたままカウンターの中の1点を、アイスピックで氷をくだくバーテンダーの手を見つめている。

ウィスキーを見てるとね、あの琥珀を思い出すの。あの何とも言えない深みと輝きのあるアンバー。あの何とも言えないアンバーの中に吸い込まれてしまいそうな気持ちになるの.....あなたは?あの琥珀、まだ持ってる?」
目の前のグラスを見つめながらまつ毛をふせながら話していた女性が、男性の答えに希望を持つかのように、自分が予想していた答えが男性の口から発せられるのを期待するかのように首をかしげた。

琥珀?」
手にしていたグラスをカウンターに置き、小さく深呼吸をした後に男性がつぶやく。

「そう、琥珀。このウィスキーみたいにアンバー色の琥珀
女性が目の前のグラスを手にすると、グラスの中の氷がカランカランと独特な涼しい音をたてる。





「.......忘れた...」
カランカランと氷の音をさせながら、右側の眉毛をピクリと上にあげて男性がウィスキーを一口。

肝をつぶされたような感覚が、まるで氷のかたまりを胸内に押し込まれたような感覚が女性の心に広がる。
濃い紫色の悲しみとショックが肝から飛び出したような、黒い煙で心を覆われたような感覚が。

氷をアイスピックで砕くバーテンダーの手元を見つめながら、どうにか平静をよそおおうと必死な女性。
涙をおさえるのに必死な女性。
「お手洗いに」
その一言が口から出ない。
お手洗いで泣いて、涙も、肝から飛び出した濃い紫色の悲しみとショックも一気に流してしまいたかった。
しかし、体が、口が動かない。
ただただ、バーテンダーが氷をくだくのを見つめるのみ。

あなたは忘れたでしょ
愛しあったことも

そんな女性の様子に気づいたのか、気づいていないのか、自分のグラスに氷をカランカランと置き、トクトクトクッとウィスキーを注ぐ男性。


.....目の前のグラスの中で氷が角をまるくして溶けていく。
私の琥珀は、彼にいただいた2人の永遠の愛の琥珀は溶けていく。
グラスの中、氷が溶け出してしまい、もはや女性のウィスキーはアンバー色ではなくなりつつある。
私の琥珀は溶け出してしまった。
目の前のグラスを、氷が溶けて味も色も薄くなっていくウィスキーが入っているグラスを、呆然と見つめる女性。

自分自身で氷をグラスに置いて、ウィスキーを注いだ男性は、実は彼女との琥珀を大切にしていた。
琥珀を忘れてなどいなかった。
目の前のグラスの中の氷が、何とも言えない深みと輝きのあるアンバー色のウィスキーと相まって、まるで彼女とペアの大切にしている琥珀のようだと悦に入っていた。



アイスピックで氷をくだいていたバーテンダーが「私のおごりです」と2人の前にグラスを2つ差し出す。



スコッチ・オーレです。スコッチウイスキーをカルーアとミルクで割ったカクテルです。これからお2人でこのスコッチ・オーレを、何とも言えない深みと輝きのある琥珀のように磨きあげていってください。
.....このスコッチ・オーレがお2人の再出発となることを祈ります」
一礼をして、バーテンダーは再びアイスピックで氷をくだき始めた。
まるで何事もなかったかのように。

しばらくスコッチ・オーレを見つめていた2人は、何かを決したように同時にスコッチ・オーレのグラスを手にした。
「2人の再出発に乾杯!」

ウィスキーがお好きでしょ
この店が似合うでしょ

2人が大切にしている琥珀は輝きを失うことなく、また大切に保管されることになる。

気まぐれな星占いが2人をめぐりあわせ
消えた恋閉じ込めたびんを開けさせたの

ウィスキーがお好きでしょ
もう少し話しましょ
ありふれた話でしょ
それでいいの今は