世界観episode37~大学1年生・気の合う友達との出会い(HSP大学生前期編②)

 

 

 

 

 

  前回は

  大学の入学式で

  今までの価値観が

  崩れたことを

  お話ししました。

 

   世界観episode36~大学1年生・入学式の衝撃(HSP大学生前期編①)

  

 

  今回は、

  大学1年生のときに、

  遠慮無く

  自分を取り繕う必要の無い

  友達に出会ったことを

  お話しします。

 

 

  大学に入るまでも、

  もちろん、

  気の合う友達はできまました。

 

  中でも高校1年生のときに

  出会った友達とは、

  遠慮無く話すことができ、

  それはそれで楽しかったです。

 

  ですが、

  私の中で、

  優秀な姉がいることと、

  そのことで悩んでいること、

  本が好きで、

  美しい絵を見るのが好き、

  うっとりするような

  音楽を聴くのが好き

  というのは

  何となく打ち明けずらく、

  また後ろ暗い感じを

  気持ちを感じていました。

  

   

  そして、

  何よりHSS型HSPの

  繊細な複雑な性質を

  見せる勇気は

  ありませんでした。

  

  大切な友達なのに、

  私の本性を

  見せたら引かれることが

  何となくわかるので、

  友達を失うのが

  怖かったのです。

 

  今にして思えば、

  素の自分を見せて

  引かないから安心して

  自分を見せられた友人は、

  一人いました。

 

  高校3年生のとき、

  数学の勉強を一緒の塾で

  勉強した子でした。

  彼女とは初めて会ったのが

  小学校2年生のとき。

 

  小学校5・6年生では

  クラスメイトでした。

  中学校同じときは

  疎遠になりましたが、

  数学の塾での再開で

  その後も縁が続いています。

   

  

  彼女は

  ピアノを弾き、

  読書も幅広くし、

  絵や彫刻などの

  美術も愛する感性の

  豊かな人でした。

  

  私との共通点もあり、

  私の繊細だけど大胆、

  傲慢で卑屈、優しさとシビアさ

  とを理解しやすかったのかも

  しれません。

  

    途中とぎれた期間があっても、

  彼女とは、

  今でもお付き合いが続いています。

 

  

  大好きだった

  「赤毛のアン」の

  アンがダイアナのように

  自分の趣味に自信を持って、

  安心して一緒に語り合える友人に

  出会えたことをうらやましく

  思っていました。

 

  

  大学の進学先が

  英文学部であること、

  大学の自由で

  排他的でない校風とで、

  私の繊細さを隠さなくても

  済む友人に出会えたら

  良いなと思っていました。


 

  同じ授業のクラスというより、

  入学式のときに

  声をかけてくれて

  友達になった子の縁で、

  その子のクラスの子と

  親しくなれました。

 

  個性が色々な子達でした。

 

  おしゃれもし、

  本を読むのも好き。

  夢は国連で働きたかったり、

  みんな自分の「好き」なことに

  自信を持って「好き」と言い、

  ほかの人の「好き」を否定しない

  のです。

 

  そして人格についても、

  繊細なら繊細でいいじゃない、

  おとなしいなら

  おとなしくて別にいいじゃない、

  という感じだったのです。

 

 

  私が本を読むのが好きと言ったら、

  「私も好き。

   作家ならだれが好き?」と

  話がはずみ、

  話の感想を言い合っても、

  私の独自の感想を否定せず、

  「面白いよね!」と安心して

  言えるのは新鮮でした。

 

 

  暗い中に普遍的な人間心理を描き、

  絶望の底に希望を見いだせる

  ドストエフスキーの

  「罪と罰」が私は

  このころから好きでした。 

 

  そのことを話しても

  別にひかれず、

  「○○君もそういえば

         ドストエフスキー、

   いいって言ってたよね!」とか

   月9のドラマなみに

   普通に会話に溶け込んで

   話ができたのは嬉しかったです。

 

    「本を好きな人なら

    文学書を読んでいるのが

    当たり前、

    別に偉そうとか、そんなじゃない

    普通のこと 」

  

   という視点で話ができたのです。

 

   もちろん、

   高校のときの友人とも

   太宰治や夏目漱石とか

   他の文学の話は

   しないこともありませんでしたが、

   その子達より

   もう少し掘り下げた視点で

   より私に近い感覚での

   話ができたのです。

 

   友達の影響で、

   読んだことのなかった

   カフカやカミュも読みました。

   その子の影響で、

   もともと西洋文学が

   好きだった私は

   西洋文学の有名どころの

   作品を色々読みました。

    

   自分と似たような視点を持ち、

   また、

   新しい視点をもらえる

   切磋琢磨ができたのは、 

   新しい体験でした。

   

 

   そして、

   絵を見るのが好きだった

   共通点もあり、

   当時はよく美術の展覧会が

   関西に来ていたので、

   一緒に見に行っていました。

 

 

   一緒に美術展に行っても、

   べったり一緒に回るのではなく、

   好きなようにそれぞれの

   ペースで見て回り、

   後でお茶をしながら

   感想を言い合うのは、

   とても楽しい経験でした。

   

   私の絵の好みは

   メジャーではありません。

 

   日本でも人気の

   モネ、シスレーに代表される

   印象派は、

   きれいだとは思うのですが、

   「大好き」ではありません。

 

   私は

   光と影とで、

   人間の人となりを

   描くレンブラントや、

   イギリス印象派で、

   光溶け合う船を描く

   ターナーという画家や、

   イギリスの静かな風景画の

   19世紀の画家のコンスタブルが

   好きです。

 

   レンブラント以外はマイナー。

   ターナーは

   大学の英語の授業で知って以来

   好きになった画家でした。

   コンスタブルも大学の授業で

   知った画家でした。

      

   でもそのことを言っても

   「おかしいんじゃないの」

   と否定されないのは、

   ほっとして、

   とても嬉しかったです。

 

   そして、

   映画鑑賞が趣味の子と

   親しくなったことがきっかけで

   映画を観る面白さを知りました。

   

   一緒にいろんな映画を観ました。

   感動するヒューマンドラマ系の

   イギリス映画、

   監督の感性が全面に出て

   何を伝えたいのか

   よくわからないフランス映画、

   観た後疲れ切って

   暗い気持ちにさえなる

   ベネチア・カンヌ映画祭系の映画...

  

 

  今思い出しても、

  懐かしく大切な思い出です。

 

  この時の友達とは、

  ほぼ大学4年生までずっと

  仲良くできました。

  

  一番親しくなった子とは

  残念ながら卒業後

  数年後に次第に

  疎遠になってしまいましたが....。

 

  先日約20年ぶりに

  その内の一人の友人と

  再会しましたが、

  「昨日の続き」のような

  感じで話しができたのは、

  とても嬉しかったです。

 

  今にして思えば、  

  私の人格の根幹となる

  部分を形成した

  価値観・感情の幅は  

  大学の4年間の間に

  形成されました。

  

 

  「感性」という共通点で

  結ばれた大学時代の友人とは、

  その後も長く

  映画や本の感想について

  文通していました。

 

  繊細さ、もろさ、

  大胆なくせに心配性、

  こういった性格を

  安心して見せられる友人に

  出会えたのは、

  その後も

  心の支えとなる経験でした。

 

  卒業後就職しても、

  「感性」

  「繊細さを理解し・

   認めてれる」友人には、

  出会うことができなかったのです。

  

  「自分に合う友達は

   本当にいない」と思い、

  自分のいびつさに

  落ち込まなくて

  済んだのは、

  この時にちゃんと

  そういう存在に

  出会えたからです。

 

  

  母が私が県外の大学受験を

  止めなかったのは、

  おそらく

  このことを理解していたからだと

  思います。


  母は、

  大学の英文学科で

  知り合った学友とは、

  高齢となり交流が

  難しくなった最近まで

  ずっと交を続けていました。

 

  母は、

  私にもそういう経験を

  してほしかったのだと、

  私に話したことがあります。

 

  

  感性の合う友人に

  出会わせてくれ、

  私に自信を持つ

  機会を与えてくれた

  両親には、

  とても感謝しています。

 

 

     明日は、

  1年生のときに入った

  テニスサークルでのことを

  お話します。

 

 

       

 

 

   

 

  

   に続きます。