世界観episode29~中学校3年生・バスケのフリースローのテスト(HSP中学校番外編③)

 

 

  前回は、

  中学校のときに

  3年間続けた

  部活動のことをお話ししました。

 

 

   世界観episode28~中学校1年生・部活動と世間体と向き不向き(HSP中学校番外編②)

  

 

 

  今回は、

  中学校3年生のときの

  バスケのフリースローの

  テストのことをお話しします。

 

  私は

  運動は

  ものすごく得意でも

  苦手でもなく

  標準だったと思います。

  

  ただ、

  短距離は

  負けず嫌いな性格もあり、

  得意でした。

  また、

  ドッチボールでは

  いつも最後まで

  生き残っていたので、

  反射神経は良かったと思います。

 

 

  ですが、
  同じ球技でも 

  バレーボールは

  手が痛くなること、

  ボールを落としたら

  それで終わりなので、

  大嫌いでした。

  失敗したら、

  取り戻せないからです。

  

  その点、

  バスケットボールや

  サッカーは、

  自分のミスは

  自分で取り戻せるので

  好きでした。

  

  カットインして

  うまくボールを奪えた時の

  高揚感が大好きでした。

 

  ただ、

  そんなバスケットボールが

  好きな私でしたが、

  1点だけ、

  嫌いな点がありました。

 

  それは、

  フリースローです。

  

  HSS型HSPの特性には

  プレッシャーに弱いということが

  があります。

 

  私もその例外ではなく、

  プレッシャーに弱く

  フリースローが苦手でした。

 

  フリースローをするときの、

  みんなの期待を

  一心に背負い、

  外してはいけないという

  あのプレッシャー....。

  そして、

  外したときに漏れる

  「あぁ~....」という落胆の声と、

  がっかりさせたことを

  ひたすら申し訳なく思うあの瞬間....。

 

  本当に苦手でした。

 

  もちろん、

  私も、

  試合中ではなくて、

  ただ授業の練習としてなら

  フリースローは

  ちゃんと決めることができました。

  むしろ邪魔が入らない分

  落ち着いてボールを投げられるので

  よく入りました。

  

  でも、

  試合になると、

  途端に入らなくなるのです。

 

  運の悪いことに、

  私の母は、

  バスケのフリースローが

  得意なことが自慢でした。

  母は中学校の

  英語の先生だったのですが、

  一時期体育も教えていたことが

  あったそうです。

  

  そのときにバスケを

  教えたことがあり、

  フリースローを決めて

  生徒を驚かしていたのが

  自慢でした。

  

 

  母はフリースローの

  プレッシャーを楽しめ、

  それを成果に変えられる人だったのです。

  

  だから、

  私がプレッシャーで

  失敗することが

  理解できないようでした。

 

  そして、

  4歳上の姉もフリースローは

  得意でした。

  姉は私に比べると

  敏捷性や足の速さについては

  劣っていましたが、

  球技の集中力は姉の方が

  圧倒的に上でした。

  

  姉は持ち前の集中力で

  周りを気にせず、

  着実かつ正確に

  成果を上げるのが

  得意な人だったのです。

 

  姉もプレッシャーに強い人でした。

  

  余談ですが、

  二人とも同様の理由で

  ボーリングが得意でした。

  ストライクやターキーを

  普通にきめることが

  できる人たちでした。

    

 

  母・姉・私の女3人の中で、

  唯一私だけが

  球技のプレッシャーに弱く、

  フリースローが下手だったのです。

 

 

  そんな中

  バスケのフリースローの

  実技テストがありました。

 

  テストの前の

  体育の授業では、

  みんなひたすら

  フリースローを練習しました。

 

  放課後も練習しても

  良かったので、

  私もテストに備え、

  一生懸命練習しました。

 

 

  練習の甲斐があり、

  テストをプレッシャーに感じつつも、

  私のフリースローの精度が

  上がったので、

  私はほっとしました。

 

 

  テストの点もですが、

  家の中では

  「できて当然のフリースロー」の

  雰囲気がそこはかとなく漂う中、

 

  自分だけがフリースローが

  苦手なのは劣等感を感じ、

  かなりつらかったのです。

 

  テストの当日はドキドキでした。

  練習したから大丈夫、

  そう思っていました。

 

 

  確かテストでは

  3本かフリースローをするのですが、

 

  1本目を無事決めた後、

  ふと、

 

  「失敗したらどうしよう。

   よく外すから

   また失敗するんじゃないか」

 

  という疑念が頭をよぎったのです。

  

 

  そうすると、

  その不安は

  効果てきめんでした。

  

 

  2本目は

  ぐだぐだになり、

  決まりませんでした。

 

  最後の3本目を投げるとき、

  届かないのが分かるのですが、

 

  必死で、

  「お願い、入ってーーーー!」と

  心の中で叫んでいました。

 

  そして、思いも空しく、

  最後の1本は

     失敗に終わりました。

 

 

  最後の1本を外した瞬間、

  練習した成果が実らなかったこと、

  他の子より外しすぎたことの恥ずかしさ、

  何より、

  母になんて言おう、

 

  羞恥心とがっかりした思いで

  いっぱいになり、

  いたたまれなくなったのを

  よく覚えています。

  

  

  帰宅して、

  母にテストのできのことを

  聞かれたと思うのですが、

  よく覚えていません。

 

  多分、

  母が私の気持ちを

  察してあまりそのことに

  触れなかったのだと思います。

 

 

  このフリースローの

  テストでの失敗は、

  私の人生では大した出来事では

  ないのはわかってはいるのですが、

  それでも、

  この出来事のおかげで、

  私の中でフリースローは苦手、

  つまり

  ここぞと言うときが苦手

  という苦手意識が植え付けられました。 

  

  もちろん、

  度胸がすわって、

  気分が高揚してのって

  プレッシャーが心地よく

  うまくできることもありますが、

  それは、

  自分が自信があることを人前で

  するときに限られます。

  そのときは、

  通常以上の成果を上げることができますが、

  

  苦手なことについては、 

  

  「うまくいかなかったらどうしよう」

  「失敗したらどうしよう」

 

  という失敗への不安と恐怖に

  襲われて、実力が発揮できないのです。

 

  これは

  以前episode24でした大学受験の話にも

  通じます。

 

  

  HSS型HSPは、

  プレッシャーに弱いだけなく、

  気持ちの切り替えが得意ではありません。

 

 

  今にして思えば、

  こういった理由で

  私がテストではフリースローを

  決められなかったのです。

  

 

  HSPの概念が

  生まれるのは1996年。

  この概念が広く広まったのも

  ほんの数年前で、

  HSS型HSPいたっては、

  知られるようになったのは

  比較的最近です。

 

 

  そのため、

  バスケから縁遠くなっても、

  HSS型HSPの概念に

  出会う比較的最近まで

  私は劣等感をずっと感じていました。

  

 

  やはり、

  親と子は別人格と分かっていても、

  なぜ私だけ母のようにできないのか

  というのは、

  私にとり落ち込む原因であり、

  劣等感を感じる点だったのです。

 

 

  

  明日は

  中学校3年生のときの

  マラソン大会のことを

  お話しします。

 

 

  

 

 

 

  

   に続きます。