クリスマスの夜、ひとりぼっちで渥美清版、『八つ墓村』を見始め、
年末年始は金田一耕介フェアを開催することにした私・・・
初登場作品からいきますよ!!!
江戸時代からの宿場本陣の旧家で行われた婚礼の夜の惨劇・・・
花婿と花嫁が日本刀で惨殺されており、しかもそれは完全なる密室殺人であるのです!
花嫁の伯父であり、育ての親である久保銀造は、
金田一耕介がアメリカで麻薬中毒になっていた時に、サンフランシスコで彼に出会い、
麻薬と縁を切ってまじめに勉強をするなら学資を出してやろうと言って日本に帰り、
耕介はその後三年居残ってカレッジを出てから日本に戻り、
帰国して銀造のもとを訪れ、これから何をするつもりか尋ねられ、
「探偵をやろうかと思う」
というので、銀造は、探偵事務所を開く資金を渡してやったのでした。
重大事件を解決し、いつしか新聞に写真が載るほど有名になった耕介が、
たまたま今回銀造の家へ来合わせていたので、耕介に銀造は調査を依頼したのです。
さて、事件の真相はいかに?!
金田一耕介シリーズの中でもこれはあまり好きな方ではなく・・・
私が金田一耕介シリーズが大好きなのは、戦後の渾沌とした時代に、まだ因習や血の繋がりといったものに翻弄され続ける旧家の人々の心の闇、といったものや、
戦争から復員してきて、顔がぐちゃぐちゃで本人かどうかわからない、とか、
正妻の子と妾の子の争い・・・たいがい妾の子の方が優秀だったり美しかったりする・・・とか、
そういう殺人事件の裏に隠された家族間の確執とか、古い言い伝えとか、旧家のあり方とか、そういったものが好きなので、
本陣殺人事件ではそのあたりがさらーっとしていて、
とにもかくにも、あのものすごい密室殺人のトリックばかりが目立ってしまっているのがちと残念で。
ただ、本作は、
「本陣殺人事件」「車井戸はなぜ軋る」「黒猫亭事件」の三編が収録されており、
「車井戸はなぜ軋る」は、私の好きな世界観で好みなのですが、なんせ短い。
物足りないんですよねぇ・・・
とはいえ、
名探偵初登場!
そのこと自体はやっぱりワクワクするー!
さぁ、金田一耕介フェア、続きますよー!
ちなみにその後、トヨエツ版『八つ墓村』も見ました。
でもやっぱり石坂浩二の金田一耕介が一番だなぁ・・・
本陣殺人事件/横溝正史【2500円以上送料無料】
691円
楽天 |
本陣殺人事件 (角川文庫)
Amazon |