八つ墓村/横溝正史 | アラフォーでもプチプラでもおしゃれを楽しみたい♪

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金田一耕助フェア、第二弾。子供の頃うなされるぐらいに怖かった、頭に懐中電灯くくりつけ、日本刀振り回して走ってくる山崎努の姿・・・
 
 
祟りじゃー!!!
 
 
 
 
 
鳥取県と岡山県の県境にある山の中の村、八つ墓村。
そこは、戦国時代、毛利元就に降伏した城主、尼子義久に背いた八人の落ち武者がたどり着いた村。

素朴な山奥の村の人々に安心して、この村で暮らし始めた落ち武者たち。

しかし毛利方の詮議が厳しくなり、落ち武者をかくまっているのはまずいと不安になってきた村人たち。
そして、
落ち武者たちが持っていた三千両の黄金にも目がくらみ、
村人たちはある日、落ち武者たちを襲い、皆殺しにし、八つの首をはねました。

ところがその半年後、落ち武者襲撃の発起人であった田治見庄左衛門が発狂。
村人七人の命を奪い、己の首をはねて死ぬという惨劇。

そう、その死人の数は八人。
落ち武者の人数と同じで、村人たちは祟りじゃと恐れ、落ち武者たちを丁寧に埋葬しなおし、八つの墓を建て、八つ墓明神とあがめ奉ることにしました。


そして大正×年。
その田治見家の当時の主人、要蔵もまた狂気が爆発し、三十二人もの人を猟銃と刀で殺戮するのです。


その要蔵は、妻も子もあるのに、鶴子という若い娘に恋をして、無理やり手籠めにした挙句、蔵に監禁し、鶴子は辰弥という息子を産み落としました。


そして時は昭和二十×年。
二十七歳になった辰弥が、ある朝職場へ出勤すると、今朝のラジオで君を探している人がいた、と上司に言われ、このラジオを聞いたならば、諏訪法律事務所へ尋ねるように言っていたので、とにかく行ってみなさい、と言われます。


そこで聞かされた、母の故郷の話、自分は田治見家の跡取りであるということ。
母方の祖父との対面、そしてその祖父は殺され、八つ墓村に帰ってきてはならぬという脅迫文が届き・・・

美しい美也子という迎えの女性と共に八つ墓村へ向かった辰弥。
そして次々とおぞましい殺人事件が起こるのです・・・



映像的に一番インパクトがあるのはこの八つ墓村でしょうねぇ。
リアルタイムでは小さすぎたのであまり覚えていないのですが、それでもあの「祟りじゃー!」というセリフはなんとなく聞き覚えがあります。

年末年始、渥美清版とトヨエツ版を見たのですが、
意外にも石坂浩二はやってないのですよね、八つ墓村。

私は石坂浩二版の金田一耕助が一番好きなので、他の作品は繰り返し見ていたのですが、八つ墓村はあまり映画を見た覚えがなくて、なるほど、石坂浩二版がないからだったのねと納得。

映画ではどちらの作品も、原作と少し違うところがあり、
渥美清版ではショーケンが辰弥役であったために、金田一耕助よりプッシュされている感じがあって、スポンサーの関係で、職業も空港職員となんともおしゃれな感じで。
トヨエツ版では金田一耕助が主役、とはっきりしていましたが、辰弥が美也子に恋心を抱くようなことがなかったかも。


そして今回久しぶりに原作を読んでみて、
映像二作品と比べてみても、やはり原作が一番素晴らしいなと。

次々起こる異常な殺人事件に心が弱っていく辰弥が救いを求める女性というのが、映画とは全く違っていて、結末も全く違うのですが、小説の結末は本当にほっとするというか・・・
辰弥も人並みに幸せにならないと、かわいそすぎる!と思えるぐらいにどんどん追い詰められるので、小説の結末は横溝正史の優しさが感じられるステキな結末となっていました。


ですが・・・
物語が、辰弥の語りで進んでいくため、
どうにもこうにも金田一耕助の影がちと薄いような。
ですが、この異常な連続殺人の謎解きはやっぱり金田一耕助がいなかったら無理だっただろうなぁと。


映像二作品と原作。
三つすべてを見て読んで、比較できて大満足です!