妹と一緒に、おもちゃ屋へ行った時のこと。
当時、お互い、まだ息子たちが小さかった頃。





…それから、布絵本もいくつかありました。
すべて、海外の品。
一冊に、ボタンはめ・スナップ止め・ファスナー・ひも結び・・・・
よくあるパターンなのですが、妹曰く、
「ひも結びを練習する頃って、もう、布絵本って年じゃないよね。
着せ替え人形とかなら、女の子はやるかもしれないけど。」
同感。
そうなんです。
他にも、ABCや123・・のお稽古になる布絵本とか。
確かに、かわいいかもしれないけど、それは大人の感覚、大人の考え。
子どもには、
その年齢に経験しなければならないこと、
味わっておかなければならない感覚などがあります。
それを、ほどよく準備して、ほどよく手伝ってあげるのが、大人の役目だと思うのです。
それは、早すぎてもだめだし、遅すぎてもだめ。
具体的には、0~2歳の頃、肌触りのいい布のおもちゃはグッドタイミングだと思います。
布絵本も、大好きな大人の膝の上で、耳元で語りかけてもらいながら、心地よい手触りを楽しむのが本来の楽しみ方ではないでしょうか。
それを、何かのレッスンの時間にしてしまっては、…何か違う。
逆に、もっと大きくなって、もっと本物に近い素材を求めたり、より大人に近づきたい気持ちの時に、赤ちゃんぽい布のおもちゃで誘っても興味は半減してしまいます。
例えば、男の子なら、きっと多くがあこがれる大工道具などのツールセット。
あれは、硬い、金属質がより本物っぽくていいのです。
たまに見かけますが、あれが布で作ってあっても全然魅力じゃないと思うんです。
おもちゃを作る人、おもちゃを選ぶ人にもう少し、子どものことわかって欲しいなって思うこと、多々あります。
私は、布のおもちゃをいろいろ作っていますが、いつも遊ぶ子どもの姿を思い浮かべながら作ります。
大人が見て、「かわい~」というだけのおもちゃには、したくない。
子どもが「わーい」「なに?なに?」というおもちゃを作っていきたいと思っています。





「布おもちゃ」を仕事にし始めた頃に、書いたものです。
あれから、9年。
お客様の要望に応えるのも仕事だと、声高には言わなくなったこともありますが、気持ちは、この時のまま。
読み返して、原点を思い出しました。