自己責任論ばかりを持ち出さないように | 中村幸也オフィシャルブログ「自由に生きるのに遠慮はいらない!」

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中村幸也のブログ

2018年6月に大阪から沖縄に移住してきた自由人。心理カウンセラー。「あきらめる勇気」の著者。『元不登校YouTuberゆたぼん』のパパ!

日本ではあらゆる問題について、「自己責任」と言われる事が多いですね。

 

貧困問題、いじめ問題、犯罪であっても、都合の悪い事は自己責任で片づけて、弱者を更に追い込んでいきます。

 

たとえば「路上生活者(ホームレス)になったり、生活保護を受けるのは本人の努力不足だ」とか、「痴漢にあうのはそんな服装をしているからだ」といった具合に

 

日本では往々にしてこういう事がよくあって、なぜか「被害者」が叩かれるのです。

 

 

「自己責任論」は日本独特のものです。

 

 

海外の日本研究では「日本の自己責任論は独特なもの」という事で、必ず授業をするそうです。

 

そもそも、相手の背景や環境も知らずに、簡単に「自己責任」で片づける日本独特の考え方って、おかしいですよね?

 

たとえばホームレスの中には、生まれつき障害があったにも関わらず、診断されないまま大人になった人もいます。

 

以前、名古屋市で行われた調査では、ホームレスの3割に知的障害の疑いがあった事がわかっています。

 

つまり、診断を受ける機会も環境もなかった為に、路上へと追いやられてしまったのです。

 

 

これが果たして自己責任でしょうか?

 

 

「自己責任」という言葉は実に都合がよく、弱者や他人を排除するのに使われます。

 

しかし、いざ自分がその立場になった時にも、簡単に「自己責任」と言える人は少ないはずです。

 

これは生活保護受給者に対してもそうです。

 

生存権を保障する日本国憲法第二十五条には「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」とあります。

 

生活保護制度とは、資産や能力等、すべてを活用してもなお生活に困窮する方に対し、困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、その自立を助長する制度です。

 

この生活保護費というのは、僕たちが支払っている税金によって成り立っており、税金は国民の「健康で豊かな生活」を実現する為の財源です。

 

 

つまり生活保護は恥でも何でもないのです。

 

 

それなのに多くの人が生活保護に対して、ネガティブなイメージを持っています。

 

インターネットでも無知が蔓延し、的外れなバッシングが生活保護受給者へと浴びせられます。

 

政治家やメディアのネガティブキャンペーンが、さらにそれに追い打ちをかけて弱者を追い込む。

 

その為、生活が困窮して重い病気にかかっても、生活保護には頼りたくないという人が増え、ウツ状態のままホームレスになる人もいるのです。

 

しかし人間の能力は平等ではないし、生まれつきハンデを背負っている人もいます。

  

頑張って、頑張って、頑張り続けた結果、生活が困窮してしまった人だっているのです。

 

だからなんでもかんでも自己責任論を持ち出して、弱者を叩くのはやめよう。

 

新しい時代を迎えた今、もっと他人に寛容になって、支え合って生きていく事が大切なのだから。