クッキー泥棒の話 | 中村幸也オフィシャルブログ「自由に生きるのに遠慮はいらない!」

中村幸也オフィシャルブログ「自由に生きるのに遠慮はいらない!」

中村幸也のブログ

2018年6月に妻と子ども4人を連れて大阪から沖縄に移住してきた自由人。心理カウンセラー。「あきらめる勇気」の著者。『元不登校YouTuberゆたぼん』のパパ!

ある女性がひとり夜の空港で
飛行機を待っていました。
 
飛行機が出るまで、
まだ数時間あります。
 
女性は売店で一冊の本と
クッキーを一袋買い、
椅子に腰をおろしました。
 
夢中になって本を読んでいると、
ふと横に男性が座っている事に気づきます。
 
驚く事にこの男性はふたりの間に置かれた袋から、
クッキーをつまんでいたのです。
 
 
女性はビックリしました。
 
 
しかし騒ぎを起こすのが嫌だったので、
そのまま知らんぷりを決め込みました。
 
女性が本を読みながらクッキーを食べます。
すると男性もクッキーを取って食べる。
 
その女性はだんだんイライラしてきました。
 
「私がこんないい人でなければ、
今頃ぶん殴っている所だわ!」
 
そんな女性の気持ちを無視するかのように、
このクッキー泥棒はどんどんクッキーを食い荒らします。
 
 
やがて最後のひとつが残りました。
 
 
すると男性は頬をゆるめ、微笑みながら、
最後のクッキーを手に取りふたつに割りました。
 
そしてふたつに割ったクッキーのひとつを食べ、
もうひとつを女性に差し出したのです。
 
女性は男性から半分に割れたクッキーをひったくると、
内心こう思いました。
 
「あぁなんて厚かましいのかしら!
ひと言もお礼を言わずに恥知らずな人だわ!」
 
こんなに腹が立ったのは生まれた初めてだ!と
恩知らずのクッキー泥棒には目もくれず、
女性はその場を立ち去りました。
 
そして飛行機に乗り、読みかけの本を探す為、
荷物をまさぐった女性は驚いて息を呑みました。
 
 
なんと自分が買ったクッキーがあったのです。
 
 
「私のクッキーがここにあるなら、
あのクッキーは…」
 
女性は打ちのめされて呻きました。
 
「あれは…あのクッキーは…
あの人のだったんだ。
それを私に分けてくれていたんだ」と。
 
そう“クッキー泥棒”は自分だったのです。
 
謝ろうにも既に手遅れで女性は悲しみに身悶えました。
自分こそ、恥知らずの恩知らずの泥棒だったのです。
 
 
このお話は元のお話を僕なりにわかりやすく
少しアレンジして書かせて頂いたものです。
 
 
このお話を聞いてどのように思うかは人それぞれでしょう。
勘違いは誰にでもある事なのでそこがポイントではありません。
 
男性は自分のクッキーを女性に食べられながらも、
女性に対して苛立ったりはしませんでした。
 
そこに心の安らぎがあります。
 
『うばい合えば 足らぬ
わけ合えば あまる』
 
相田みつをさんの言葉で
このような詩があります。
 
 
あなたはこのお話を読んで、
どう思いましたか?
 
 
人それぞれ感じ方は違うでしょうが、
大切な事を考えさせてくれるお話ですね。