現身の儚さと奥深さ | 中村幸也オフィシャルブログ「自由に生きるのに遠慮はいらない!」

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中村幸也のブログ

2018年6月に妻と子ども4人を連れて大阪から沖縄に移住してきた自由人。心理カウンセラー。「あきらめる勇気」の著者。『元不登校YouTuberゆたぼん』のパパ!

「ミーン、ミーン」なのか?
「ジージージー」なのか?
 
セミの種類によって鳴き方は違うし、
聴こえ方も人それぞれ違うだろう。
 
だけど朝起きてセミの大合唱が聞こえてくると、
僕は「夏がキター!」ってテンションが上がる。

 
夏の暑さが苦手な人は気分が重くなるだろうけど、
夏が大好きな僕にとってセミの鳴き声は、
一種の興奮剤みたいなもんだ。
 
 
昨日の夕方、長男がセミの幼虫を見つけてきた。
 
 
電信柱に登ろうとして何度も滑り落ちていたそうだ。
だから家にあるアサガオにつけて観察する事にした。
 
セミの幼虫は土の中で3~17年を過ごすという。
そして成虫になってから生きるのは1ヶ月ほどだ。
 
セミは成虫の飼育が困難な事から、
1~2週間で死んでしまうと思われてきた。
 
しかし実際は1ヶ月ほど生きると言われている。
 
羽化の時には無防備になり敵に襲われる危険があるため、
明るいうちは羽化を始めないそうだ。
 

セミの羽化



深夜0時に見てみると羽化していた。
 
 
朝になり、さっき見に行くともう飛び立っていなかった。
そう、抜け殻だけを残して…。
 
日本では古来からセミの抜け殻を空蝉(うつせみ)と呼び、
現身(うつしみ)と重ねて考えられきた。
 
空になった抜け殻は精いっぱいに生きた証だ。
 
人間もやがて過去という殻から抜け出し、
大きく羽ばたいていく。
 
 
もののあはれ(もののあわれ)は日本独特の美意識だ。
儚さの中に奥深さがある。
 
 
僕たちの経験する困難や幸福は、
ほんの一時の儚い時間に過ぎないのかもしれない。
 
それでも現在(いま)という瞬間を大切に生きよう。
 
僕たちはそれぞれが現世に生をうけて、
それぞれの瞬間を生きているのだから。



空蝉と現身