最高の出来事が
起こるのではありません。
起こった出来事を
最高のものにできる人がいるのです。
【タル・ベン・シャハーの名言】
僕は以前、ゴミ収集の仕事をしていたことがある。
役所の臨時職員として、
ゴミの収集車に乗ってゴミを収集していた。
ゴミ収集の仕事と言っても、
一般家庭から出るゴミを収集するだけでなく、
動物の亡骸を引き取りにいくこともある。
ペットとしてではなく、
家族の一員として暮らしていた動物。
車にひかれてしまった動物。
初めて、動物の亡骸を引き取りにいく時、
正直言ってあまりいい気分はしなかった。
それは車にひかれた
小さなネコちゃんだった。
そんな時、ふと日本メンタルヘルス協会の
林先生に聴かせてもらった話を思い出した。
林先生が以前お会いした人に、
息子さんを亡くされた学校の先生がいたそうです。
この方には長女と長男の子供がいて、
長男が自殺して亡くなってしまった。
この方は自分が学校長であるにも関わらず、
自分の息子が、
【理由がわからず】
自殺してしまったことに悲しみ、落ち込んだ。
そして辛い気持ちのままの生活がその後、
何年も続いた。
そして、やがて長女が結婚することになった時、
長女がこういったそうです。
「お父さん、
いいかげん不幸で居続けるのは、
もうやめて。」
「たしかにあの子が死んでしまったのは悲しい。
ショックなのは私も一緒だし、気持ちもわかるわ。
私もあの子と毎日顔をあわせていたにも関わらず、
あの子がなぜ自殺してしまったのかすらわからない。
そんな自分を責めたこともあった。」
「でもあの子と楽しく遊んだり、一緒に笑ったりした
楽しい思い出もたくさんある。」
「もし、この先もずっと悲しみを背負ったまま、
私たちが不幸で居続けたら・・・
あの子は私たちを不幸にするために
生まれてきたことになってしまう。
私はそんなふうに思いたくない。
あの子が生まれてきたのは私たちを不幸にするためなんかじゃない。
私たちを幸せにするためにあの子は生まれてきた。
だから今でも私の心の中には、
あの子との楽しく幸せに過ごした思い出が残っている。」
長女のその言葉を聞いて、
その先生は、
“不幸で居続けること”をやめにしたんだそうです。
どんな出来事にも意味がある。
僕はそう思う。
起きた出来事は変えられない。
でも、
起きた出来事に対しての“とらえ方”は変えられる。
どう、とらえるのか。
あなたの自由。
あなたの自由。
ゴミ収集の仕事で、
猫の亡骸を受け取った時、
正直、僕にはこういう思いが確かにあった。
「なんかいやだなぁ。」
「あまり見たくないし、いい気分しないなぁ。」
でも、マイナスの気持ちの裏側には、
必ずプラスの気持ちもある。
僕はどんな気持ちになるか、
“選択”することができる。
そして、こう思い直した。
「死んでしまったこの猫にも生まれてきた意味があった。
ここで俺が嫌な気持ちになったり不幸になってしまったら、
この猫は“俺を不幸にするために生まれてきた”ことになってしまう。
俺自身がそうすることになってしまう。
そんなはずはない!
こうやって道路でひかれてしまった猫を
俺が、しっかりと引き取ることによって、
車で道路を走る人たちもホッとする。
もし、このままだとみんなが辛く嫌な気持ちになるだろう。
起きた出来事は変えられないが捉え方を変えることはできる。
俺はこの仕事を経験できて良かった。」
その方から猫の亡骸を引き取った時、
「このネコちゃんはゴミと一緒に燃やされるんですか?」
と聞かれた。
すると僕と一緒にきた職員さんがこう答えました。
「ゴミを燃やす所と動物を燃やす所は別々で、
ちゃんと別れています。
このネコちゃんは、
同じように亡くなっていった動物たちと一緒に天に帰るんです。」
それを聞いたこの女性はホッとした顔をして、
深々と僕たちに頭を下げていった。
僕もホッとして、心が清々しくなった。
この女性の猫に対する
温かい気持ちが、
痛いほど伝わってきた。
亡くなってしまったネコちゃんは、
車にひかれて死んでしまった。
この女性が飼っていたわけではない。
でも、その猫を
「ネコちゃん」
と呼ぶこの女性に温かい優しさと真心を感じ、
そして、その女性の質問に
「ネコちゃん」と返した職員さんの優しさと真心。
ほんの些細なことかもしれない。
でも、僕にとっては貴重な経験となった。
起こった出来事をどう捉える?
あなたの自由。
あなたの自由。
あなたの自由なんですよ。
どうせなら、
明るいほうを選んでみたら?
明るくなれるほうを選んでみたら?
あなたが大切に思っている人、
あなたが大切に思っていた存在は、
あなたを不幸にするために、
生まれてきたわけじゃないはずだから。
この記事が少しでもあなたのお役にたてたなら、
ランキングをクリックして頂けると嬉しいです↓